2016年1月11日月曜日

何故?庖丁を他人に貸さないか?

庖丁も自分の仕事や使い方に合わせて研いでいます。

なので解かり言うと刺身包丁を出刃のように叩いたりしたら

簡単に刃が欠けたり潰れたり・・・刺身庖丁にはそれなりの役目が

有ります。極細かなギザギザな刃で庖丁の長さを使い切り裂いて

いくと考えて研いでいるわけで細く研ぎあげて使います。

それを強い力や衝撃を与えれば・・・・という理由でして

俺ら洋食の人間でも庖丁の使い方一つで自分なりの研ぎ方を

考えて仕上げますから、牛刀でも使う用途で仕上げ方が違っています。

キャベツを切る大きな牛刀でも引き切りでまな板になるべく衝撃を

与えず、細かな刃で切っていると千切りにしたキャベツは3日後でも

使えそうなほど新鮮に見える・・・

雑に切ったキャベツは朝に切って夜には変色して使えません・・・

玉ねぎのスライスやみじん切りなど斬れない庖丁などで切れば

直ぐに色が茶色になってしまったり・・・

使い方が解からないやつに貸せる訳がお分かりでしょうか?

それ程に砥ぎは奥が深いのですよ・・・自分の腕が上がればそれに

合う研ぎ方がある訳で、自分と釣り合う庖丁の砥ぎは変っていくのだと

思います。一本の庖丁でも此処までは繊細に・・・此処は鈍角に?

想いが有っての研ぎ方の違いまで有りますからなかには一本の庖丁で

殆どの仕事をこなしてしまう人もいます。そうなるとその人には万能な

庖丁とかになるようですよ?

和庖丁は、進化してその土地に合った庖丁の形なり厚さなりに変化して

仕事に合う形になってきたのだと想います。

その点、牛刀を造り始めてからの歴史は短い?から大きく分けて

大、中、小な庖丁で・・・後は厚みが違うくらいで形は同じようなもの?

野菜を生で食べない中国などでは切ったら直ぐに煮るか炒めるか?

とんかつのように生のキャベツを食べるなんて日本だけ・・・

なのに叩き切るようにしてる日本の料理人が殆どで・・・

ましてや機械やピューラーの方が楽だとか?早いだとか?

餌と料理は違います・・・上からドンと切った方が速い・・・

それでは餌にしかなりません・・・食べれば理解出来るのですが

見た目ではね?・・・それでも仕事ですからキャベツを分けて薄く重ねて

切れば押し切りでも繊細に切れますが、

それでは時間が掛かってしまいます。

それを解決する方法としてコックの先人たちが考えたのが

俺や目黒君がやっている引き切りなのです。

やたら時間が掛かればキャベツの千切りなどに時間を掛けるな~って

叱られてしまいますから必然でそういう切り方になったと言う訳です。

出来ない人には馬鹿にされたり、理解されなくても理由がある訳で

それに合う研ぎ方でその理由で引ききりをしてる訳でして・・・

理解できない人に自分の庖丁を使われると、斬れない庖丁になって

しまうからなのですよ。

刃物研ぎが好きな旦那さんが、研いで奥さんが使うと刃がボロボロ・・・

これは、奥さんが悪いのではなくて奥さんの使い方を理解しないで

身勝手な庖丁研ぎをしているからなのですね・・・

それが嫌ならば、庖丁の使い方を教えながらそれに合った丈夫な

研ぎ方をしてあげるのが夫婦円満な方法です!

それを感じたのは・・・高橋の庖丁を薦めて買った自分のお客さんの

庖丁を永遠に研ぐ約束をしてるのでタダで研いでいると・・・

高橋の庖丁でも刃が欠けていたり直ぐに斬れなくなったり・・・

庖丁を見ればどんな使い方か?解かるんです・・・

そうなると欠けないように直ぐに丸くならないように・・・

そうすると今度は今までより斬れない?斬れるけど感じが違うとか?

ここでやっと庖丁が切れる理屈を少し教えていくと、次に研ぐときは

良い感じに斬れなくなっている・・・斬れるけど斬り味が違うと解かれば

だんだんと使い方が変ってくるものです。地道な道ですけど!笑。


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