2012年6月28日木曜日

高橋刃物製作所まもなく閉店の日が来ます

高橋刃物製作所も後三日で50数年の歴史に幕が降りようとしてます。 ほとんどの店は、売上も悪くなり店を閉める事が最近では普通なのに此処のところ昔からの お客様が多く来店していて最後の買い物をしてるようです。おしまれて…高価な極上は大分無くなりました。 オヤジ様は、魚屋さんの社長からの最後のタコ引きと柳刃を制作中。最後の砥ぎの最中です。 まだまだ残った依頼の包丁も残ってるのですが、来客が多くて御買い上げ包丁の最後の仕上げ砥ぎで 仕事がはかどらない毎日のようです… それでも、まだまだ在庫は沢山有るのは左利き用とか大きな包丁や長い柳とか・・・ 30年以上前から使っているのに、光友包丁が光以外に特上、極上、本焼きなどなど色々あって まして横浜で造ってるなんて4,5年前まで知らなかったんですから面白い… TVなどに何回も出ているのに飲食業はTVを見ている時間が無いし、バイパスが30年以上前に出来てから 国道16号線を使わなくなり、あの場所を通らないものだから… 自分が生まれた頃に始まり、自分がコックになった頃にステンレスで良い包丁が出来上がり、 店の商標も平四郎と東源何々だった物が妨害やいろいろあって、商標登録の担当者の方が持っていた 名前を譲って貰い【光友】になったそうです。高橋刃物の店にその方の写真が今でも飾っています。 平四郎はオヤジ様の父上の名前ですが、そんな理由からほとんどの包丁は光友なんだそうですよ。 前回も書きましたがステンレス鋼材が今よりよくなかった時代に錆びなくて斬れる包丁が有れば 良いってことで試行錯誤してみて店が傾いたり…鋼材メーカーの渡辺さんが親父さんの仕事に惚れて 特殊鋼を持参してオヤジ様ようにわざわざ板を丸棒に作り替えてどんな形にもしやすいようにしたり… 苦労して今の包丁が有る訳で、死ぬまで仕事をしたいオヤジ様の気持ちもよく判る お客さんも一度使えば、良いって判るぐらいの包丁なのでもっともっと有名な包丁鍛冶屋になったはず なのにね。高橋の刃物はとにかく長持ちする…なので2,30年は普通に使えるから同じ人は、買い替えに 10年は来ない…買いましする人も多いのですが…商売は下手・・・・ 渡辺さんもオヤジ様に「一度買ったら10年は買い替え来ない鋼材でやると、数が出ないからそれでも やるのかい?」と言ったそうです。 オヤジ様は、錆びないで斬れる包丁を造りたい気持ちで商売より上に考えてきたからね。 それでも兄弟の家族を食べさせないといけないので日曜日に一人試作をしたり・・・ 娘に変人と言われたり…(笑) 今日も紹介して買った小学校の教師をしてる人が「斬れる包丁で斬った物が美味しく思える」って 言ってました。 自分たち料理人は高橋が有名でなくても高額な10万以上する包丁でも買います。 有名で高い包丁を持っていても使わない料理人も沢山いますが 自分は普段いつも使います。仕事が早く楽に美味しく切れてお客さんも喜んでくれる。 10万の包丁が幾ら儲けてくれるのか…それを考えれば安い物なんです。 今のご時世で潰れず25年も店を続けてこられたのも自分の腕だけでは無いんです。 和食の職人が持つハガネの包丁は錆びるから忙しい時だけとか天然の良い魚の時だけとか? そんな時だけ高価な包丁を使い、普段はしまい込む・・・・たまに使うだけで飾っておく包丁が イイ客、高価な魚の時だけ使って体の一部になるんだろうか?いつも思います。 そんな時に高橋の包丁を勧めるんですがステンレスはな?って?サビを気にして使う10万の包丁と 同じに斬れる高橋のステンレスなのに・・・ 鋼とステンレスは同じ砥石で砥ぐと感覚が違います。そのへんの違いも嫌なのかも知れませんが? 親父さんの考えでカチカチだと砥ぐのが大変で砥げるように硬さにします。 有次の柳などは硬いので職人が高橋に砥ぎに出す人もいるのを見て、わざと硬さを落としているのですが もしもオヤジさんがとにかく硬く造れば、結果は少し違ったかな? 包丁を自分で砥げない包丁じぁダメだろうって考えているので仕方ない・・・・ 前に柳をプレゼントした寿司職人は斬れるけど少し柔らかい感じがするって…極上を渡せば答えが 違ったかも知れませんが? ここ二年ほど親父さんと色々話してプロが使う包丁は落としたら割れるぐらい固くて良いんだよとか 砥ぎが下手だと砥げなくても良いとか?笑いながら色々話をしてきていくつか造って貰ったり 去年は43で本焼き水を造ったり・・・・ 43水は面白かった…家庭包丁のサイズで本焼き水のステンレス・・・ 硬度も高いし、鏡面にするのにも他の本焼きと同じぐらい硬いからなかなか大変でした。 光だと3時間も有れば鏡面になるのに…軽く倍の時間が掛かりました。 砥いでも硬い…ちゃんと砥げると面白いぐらい斬れる。 斬れる感覚も本焼きだし・・・こんな硬くては研げないだろうと心配してましたが 2万ぐらいで本焼きの包丁を買えるのが良かったのか? 何十本も作ったのにみんな売れてしまった~(笑) 包丁の事を好きな人が興味を持ってくれてあの価格なら喜んでくれて・・・・ 43水が最後の新作?あああ小料理包丁かな? 小料理屋さんが一本でなんでも使える包丁として作ったのですが? これも若い主婦に好評でして、形がヨーロッパの包丁の形に似てるし? 小料理屋包丁ではなく、小料理包丁の名前が良かったのか? さてさてあと3日でおしまいの予定です。 オヤジ様は変わらず作業してますが、6月は後3日で終わりです。 やっぱり少し寂しいのですが実感が湧かないのも事実で、一年後ぐらいに感じるのかな?

2012年6月20日水曜日

ステンレス系の焼入れ空冷

今日はステン系の焼入れをしていました。
錆びるハガネ系と温度が違います。ハガネ系だと780度ぐらいだったかな?
ステン系は1080度まで温度を上げるので、松炭ではなくコークスです。光と特上光です。
此処で先日書いた火の色を見ながら焼入れは親父さんの仕事、火だけを見続ける仕事なので
それ以外の仕事は二人の兄弟がやります。今日の焼入れは空冷なので、自作の扇風機を
上下から風邪を当てるように二つの扇風機が上下でまわり温度が下がると出来上がりの状態が
わかるんだそうです・・・
焼き上がりをまだ熱い所で曲がりを修正してサブプロ処理をします。
ステンレス系でサブプロ処理を始めた包丁も高橋が最初、鋼材メーカーといろいろ相談して
包丁に使い始めました。
今では、有名な包丁メーカーもやってる作業ですがこれに感ずいたのは30数年前だそうです。
この作業の仕方は、秘密です。作業中、鉄が鳴きます・・・・キュウキュウと鉄が鳴くんですよ・・・?
鋼材メーカーが他所にも伝えたので今では高額な包丁は普通ですが、高橋では普通の光から
やっています。
鋼材によって、焼入れの温度も冷やし方も丁度良いやり方が有って高橋の凄い所です。
鍛造、焼きなまし、焼入れ、と全て炭素の火だけでやるので浸炭していくので元の鋼材が
炭素量が増えて行くんです。重油や電気炉では脱炭するので、やはり昔ながらのやり方が
一番なのでしょうね?職人がそこまで腕を上げるのに時間が掛かるし、ロスも有る。
儲けを考えると会社としては出来ない。小さな鍛冶屋では限界が有る。
大手でもコンピューター制御の真空窯を一度使うのにお金が掛かるので
30本そこらでは焼入れをしない・・・まとめてやるわけです・・・・
そこらへんが違うこと? ロスも出るが良いもんが出来る・・・平均点の大メーカーと違う所かも?

後、六月も僅か・・・注文が全部出来上がるのは無理のようでお盆ぐらいまで掛かるかな?
お陰様で43水焼きは残り僅か、極上も大分減ってきたようです~
あれだけ棚に在庫が有ったのにね~今月10パーセント割引閉店セールで朝から昔からの
お客さんが、自分のは在るのだけど娘にとか親にとか・・・有終の美になれそうですよ。

2012年6月17日日曜日

オヤジ様の造り方の考え

オヤジ様も包丁を使う人がどんな使い方をするか研究して造ります。
なので試作も沢山造っては畳屋さんや肉屋さんなどなど・・・畳屋の包丁が一番難しかったと
言ってました。
畳のなおしでは、中に小石が入り込んでいたりして刃が欠ける、欠けないように造ると
軟かくて切れない。さてどうしたものか考えて石まで斬ってしまえば良い・・・
鋼材をいろいろ試して鍛造の仕方や焼入れの仕方・・・最後はドイツ鋼のダイヤモンドハイハードって鋼材まで買って造り上げた・・・錆びるけど恐ろしいほど斬れる。
この鋼材は物凄く高かったそうですが、日本中の畳屋さんから絶賛・・・これを砥ぐのが
大変なので砥ぎが下手な畳屋からは不評・・・
親父さんはいつも正解と不正解は隣り合わせって言います。
鋼材の切り出しから鋼材の目を見て切り出しますが、斬れるが横の力には弱い・・・
なので横の力を入れすぎると折れる。逆に横にして切り出すと斬れが悪い・・・
なので焼戻しで調節するのですが・・・南の漁師は折った・・・笑
折れたから怒り出して・・・今では理解してくれたのですが?
自分も先輩に使われて床に落として根元から折れてしまいましたが・・・涙

オヤジ様が造る包丁は顎に近いところの斬れが悪い、切っ先に向かって斬れが上がる
これは、オヤジさんが顎に近いところで力をいれて切る人が多いからわざと甘くしているんだそうです。それと刃を2~3ミリ減ると良くなるのも包丁を最後まで切れるように焼きを入れるのでどうしても刃先が入りすぎ?のように思えます。
最初は小さくチリチリするんです・・・

後は形・・・自分のように引き切りする人が居なかったのか?牛刀の反りが他所の包丁より
早く反りが始まっています。これはキャベツの千切りをするときに切り残しが出るので
包丁が大きくないと少しやりにくい。。。押し切りに合わせてるのかも?
以前、ダイヤモンドハイハードの残りで一本造ってやるよと言われた時に
持っているミソノの牛刀は反りが先の方で包丁も薄いから千切りがしやすいって話から
造ってもらいました。 ミソノのスェーデン鋼鍛造330ミリより大きく重いのですが
砥ぎすぎるとまな板に食い込むから切り方の力を加減しないといけませんが・・・
型を使わず自由鍛造だからできる一本物
確かに手入れが悪いとサビが出るとか切るものによって変色するとか面倒なのですが
タテヨコとも鍛造するので砥ぐのが大変です。砥いでもギラギラして見た目が恐ろしいの
で一般向けではありません・・・

ステンレスで作り始めた頃、良いステンがなくて造っては捨てて・・・
新潟の大手はそのまま売ってしまったのでステンはダメって事に・・・・・・・・・・
オヤジさんも大変悩んだそうです。
そんな時にスキモノの渡辺さんが、鍛冶屋の仕事が面白くて仕事をサボって見に来ていたそうです。この人が自分の会社の特殊鋼でもオヤジさんなら出来ると考えて持ち込んだのが
初期のステンレス?特殊鋼ですね。
元々その会社の初めて博士ごうを取った人が考えたSX4っていう鉄板を切るのに使う
ダイス鋼でして同じ鋼材を新潟の鍛冶屋に持って行っても出来上がらなかった物でした。
オヤジ様も出来上がった包丁を試したらとにかく驚いたそうです。
この鋼材を高橋の為に丸棒に特別に造り変えて自由に形を変えれるようにして
焼入れの温度管理を一緒にやったんだと渡辺さんから聞きました。
この鋼材が厄介で鋼材メーカーが板にするのにローラーの軸が折れてしまい・・・
生産中止・・・これが今では幻のSX4の光でした。
これが出来るようになった時には既にステンレスはダメって風評で売るのに大変だったそうです
持っていれば宝です。。。。 SX4を克服したおかげでいろんな鋼材で作れるようになって
今では最高級がD15の金属で造った刃物
未だにD15より当時の光が良いと思えるのですが?
ないから仕方ない・・・親父さんはそんなこと無いって言いますが・・・
D15で水焼きがSX4に近い?油焼きも凄いが及びません・・・・?
こんなこと書くと怒られそうです・・・・
5年前に高橋が横浜にあることを教えてもらう前はキャベツの千切りはミソノの牛刀でした。
スェーデン鋼の鍛造品で包丁が薄くて330も有るのでキレイに斬れます。
これしかなかったので使っていますが同じものを使ってる先輩は長斬れしないと?
自分はするんだけどな?????
使い方を観て解りました。まな板を叩くように使うんです。
まな板も変形してるし・・・・
そんなわけでミソノの牛刀でもキャベツを斬れるって動画を最後に出します。
今ね、やっとオヤジさんが作ってくれたダイヤモンドハイハードに枝を付けてるので
代打でミソノを使いました。



2012年6月16日土曜日

見ていても判らない

親父さんは、昔からのお客さんの柳刃を造ってます。
その包丁の焼鈍し作業をしてました。2本の柳刃の為にコークスに火をつけて
火の調節をしながら最適な温度に加熱してます。
鉄が赤っぽく色が変わってきて終了? 藁灰に入れて24時間ゆっくり冷却・・・
この二本の為に何キロのコークス使っているんだろう?ちょっと勿体ない気分・・・
木曜日に撮った動画なので昨日の金曜日には灰の中から出して荒削りして
終わってるかな?土曜日に焼入れ(水)
焼入れの動画も撮りたいけど・・・時間が合うかな?
780度と800度の違いを教えて欲しいのだけど・・・時間的に無理かな?
教えてもらっても多分解らないだろうけどね・・・あ?
明日は雨?ならば焼入れはやらないだろうか? 水素が邪魔をする?
湿度の事を言っていたのか?コークスが湿ってるだけでも脱炭するんだとか・・・?
1000度以上になるコークスが水分・・・?
親父さんはみんな温度を上げて焼けてからなら水分飛んでるから一緒だとか?
どっちなんだ?
俺には綺麗な火にしか見えないんだけど?
みなさんは判りますか?

2012年6月14日木曜日

骨身を削って仕事をする

目で見るつながりで・・・・

俺たち料理人も焼き具合で美味しく見えるし美味しくなる
お客さんが美味しく見えるように作る・・・これが案外難しい、日本人は目でも料理を
楽しむからね・・・中華はこれに音も入るんですが・・・

鍛冶屋は、炉の中の温度を目で計る・・・これが難しいんです。
俺には赤い、オレンジっぽい?青っぽい?全て曖昧な見方です・・・・
壊れた刃物の修理で溶接すると気もマスクしないで裸目でやってるんですよ・・・
離れた所で作業を覗いてる時でも目がおかしくなってしまうんですが
鍛冶屋は刃物の方が大事で裸眼でやってしまう・・・・
鍛造の時も焼き鈍しの時も戻しの時も・・・焼入れの時は更に火を見ています・・・
目が焼けて涙がボロボロ・・・・寝るときは目が熱くて眠れないときもあるんだとか?
昔の人は50歳ぐらいで現場を離れるからいいけど・・・
オヤジ様兄弟は60代から80近く・・・・
仕事は出来るし、意欲も有る・・・死ぬまで続けるつもりなんですが・・・・・

一本、二本なんて仕事ではないから目が痛む、炉の中の金属を見続けて状態を
操作するのだから大変です。
仕事場で直接見ればこれだけの工程でこんなに時間が掛かる事が解れば
高橋の刃物が如何に骨身を削って作られているかが判ります。

高橋刃物製作所の頑固な鍛造と鋼材メーカーの技術と理論・・・これか?

昨日、横浜から岐阜に退職後住んでいる渡辺さんに会いに行って良かった。
高橋の応援ブログを立ち上げて・・・良いのは解るが何処が違うか使った
あくまでも雰囲気しか書けない・・・・
これでは、何処の名人が造ったから高いんだと言う刃物屋と同じ・・・
そんなのでは、高い鋼材で名人が造った物だから良いですよ・・・・と同じ・・・?

好奇心だけで生きてる自分の中ではそんな理由で高い買い物もしないし
好奇心が湧かない物は、見ようともしない・・・刃物屋の話を聞いても
面白くない・・・マニアでは絶対に無いのですが・・・笑

応援ブログがいつのまにか?だんだん知識が増えて耳年増に・・・(笑)

コークスも高い品物だけではダメ。ちゃんと乾燥させなければ脱炭してナマクラに・・・
焼入れも包丁の真ん中見てるようじやダメ・・・渡辺さんに聞きたい事が増えた・・・・・・
話が面白くてストーカーになりたい気持ちです。
同じコークスでも浸炭と脱炭ですから奥が深い・・・・・
この渡辺さんが会社の仕事を放り出してまで高橋に肩入れしたもんだから
本当は会社でもっと上の重役になれただろうに・・・ね?

変人の渡辺と変人の高橋・・・・(笑) _(_^_)_ゴメン
これが光友印の包丁の秘密なんでしょうね・・・?
最近・・・・俺もマニア?って言われ始めてますが・・・
この二人の話は、ためになるし、やっぱり面白い・・・・

焼入れの難しさ、そして見る目

今日の定休日は、遠路350キロ離れた所まで
解らない事を少しだけ教えてもらいに行ってきました。

包丁を見ただけで良い悪いを判断すること、焼入れの温度や目安?

最初に、名古屋のだるま商店さんにお伺いました。
名古屋市中村区太閤通5丁目36 TEL052-471-0114

横浜の高橋刃物と名古屋の刃物、厨房道具などを扱う老舗の繋がり?
先代のご主人が今から3~40年近く前に、中華の包丁を作ってる所を探して
東京の見本市に行って見つけたのが高橋刃物の包丁、先代のご主人は
大阪で包丁屋で働いていた時期もあり、刃物を見れば出来が解ったそうです。
見本市の帰りに高橋の工場まで行って作業を観て決めたそうです。
それ以来の付き合いなんだそうです。
使わないでも見ただけで包丁が解る・・・・自分にも欲しい目です。
中京の料理人さんで高橋の包丁を使って見たいと言う方は、名古屋駅から
500mぐらいだと思うので一度行って見てください。御主人と若旦那さんが詳しく
説明をしてくれるはずです。

実は、皆さんが有名と思ってる包丁屋でも高橋の包丁を収めています。
過去収めていたところも有ります。当然其処の店の刻印が入っていますが・・・
ハガネで無いとダメと言ってる貴方・・・其処の店が良いと思って収めてるステン系
(特殊合金含む)です。

その次に、岐阜県まで移動・・・・高橋のオヤジ様から散々話を聞いていたので
実際にお会いして少しでもお話を聞きたかった。
この方が、高橋刃物に特殊合金を持ち込んだ人です。
製鋼会社の鍛造部門で時には炉の温度計より確かな目で温度をはかる職人さんです。

その人曰く、ステンレス包丁を新潟で量産し始めた時期・・・
鋼材も今ほど良くもなくダメな包丁のまま流通させたもんだから
ステンレスはダメだと日本中に広がったって言ってました。
仕事の途中に高橋刃物を見つけ、作業を見ていたら昔からの仕事をしっかりやってる。
今から40年も前にはちゃんと鍛冶屋の仕事をしてる所が少なくて
鍛冶屋の仕事を見るのが面白くて数時間黙って見ていたそうです。
そんな人だからオヤジ様も仕事が終わってから話を始め意気投合・・・

製鋼会社の技術者だから焼入れの仕事でもオヤジ様にズケズケモノを言ったそうです。
オヤジ様も良いものを創りたくて研究するものだから当時のステンではなくて特殊合金を
やるはめに・・・(#^.^#)
オヤジ様が造るとその人が会社の研究室に持っていって検査・・・
あんたの焼入れはダメだ。ナマクラ包丁だ・・・
その繰り返し・・・・技術者も高橋の為に特殊な金属を丸棒に造り替えて渡し
しまいには一緒に金属の色の変化で温度を見る技術をオヤジ様に教え込んだ・・・
職人の経験と研究心だけでは、モノにならん~。
会社の高価な計測器まで持ち込んでやったそうです。

その人曰く、自分達もマズは計測器で炉の温度にしてその色を毎日見てから
作業をする。前の日に酒を飲んでいるだけで目で見える温度に誤差が出る。
毎日、見るもんだから目が焼けて目が悪くなったんだと・・・裸の目で見るもんだから
今じゃ目が悪くなってね・・・なんて
天下のトヨタの工場の技術者にも同じように特訓させておぼえさせる
口は悪い・・・ダメなものはダメ。 毎日鉄板を渡し鉄板の下の方の1cmぐらいを
バーナーで焼かせて焼きの色を憶えさせる、できるまで・・・
検査は引っ掻いてその滑りとキズで判断できるんだそうです・・・?

今は、引退したから名前を出してもいいのかな?
とりあえずマル秘で・・・
ここには書けない話も随分出てきて少しだけの話が2時間が・・・・笑

その人が親父さんに、高橋さん、これが出来ると金になるのに30年掛かりますよ。
一度使ったら良い包丁ってわかりますが、持ちが良いんで次に買いに来るのは
10年後・・・買い替えに来ないから一人が買って使って周りに言って買わせないと
数が出ないよ・・・って・・・
それでも良い物造りたいオヤジさんはやってしまいましたが・・・

これは実感してます。当時造っていた光っていう高橋のステン系では一番安いペティーが
25年が経っても今だ現役ですから・・・今はもう無い金属でこの技術屋さんが持ち込んだ
SX4って材料なんですがバケモンです。

多分、随分造ったので今でも使ってる料理人もいると思いますが・・・
SX4なんて書いてないから解らないとおもいますが。。。

このSX4って名前の合金で包丁を造り、完成させたのは親父さんだけだって
言ってました。そしてこの金属が良いのですがなくなったので
その代わりがD15っていうダイス鋼なんです。
元々鉄板を切ったりする為の合金ですから金属が高い・・・
ちゃんと焼入れが出来ると硬度70に行ってしまうんだそうです・・・・
それでは砥ぐ事が大変だから戻して居るんですが・・・・・

43包丁も0.43なので本当は焼入れが出来ない金属なんだそうです・・・・
ですが、コークスで火造りすると浸炭が半端でない・・・その人曰く
高橋さんが思っている以上に炭素量が増えてるそうです・・・・謎
また、コークスもよく乾かしてから燃やさないと、少しでも水分が有って
ちゃんと温度が出ていても脱炭するんだそうです?
これも不思議でよくわかりませんが?
そういうモンなんだそうです・・・・研究心が無いとダメ・・・なんだって。

たかが包丁・・・でも面白いでしょ?
今日はいろいろな所を訪ねたので総距離850キロ・・・疲れました。
またあした・・・・

2012年6月11日月曜日

ステンレスの本焼き

たまに、オヤジ様が言うにはうちで使かってるステンレス鋼で本焼き(水)で造ると凄いもん
出来るんだよと・・・・43であんなふうに出来るでしょう…
0.8や0.9のステンレス鋼で造ればもっとすごいのが出来る。しかし手間とロス分を考えると
値段が高くなるし、普通の人が使い切れないし、・・・・・だそうです。

鋼材を切り出して鍛造して、包丁の形に切り出してから、焼きなまし、ハガネは24時間、ステン系は
48時間、藁灰の中でゆっくり傷めた鉄を冷まして分子構造を元に戻す作業が有り
それから焼入れをして・・・焼きもどし、それから砥ぎ?だったかな?鋼材によってはサブプロとか
途中に高橋だけがやってる秘密の作業があったりと・・・鍛冶屋の作業工程は幾つもあります。

今回、見つけ出した極上10本ぐらいは焼入れ作業前の段階でしてここまでくるのにも
数日掛かってるんです。整形してタガネで彫って焼入れして、鍔を溶接して、研磨してから
焼きもどしして粘りを出す(一旦硬くして硬度を上げて、焼戻しで使いやすい柔らかさと粘りを
出す)のだそうです。それからサブプロ工程をしてから砥ぎをして枝付け屋さんに送る

高橋ではコークスと松炭しか使いません。一般に重油とか電気窯とか使うそうです。
何故、オヤジさんは重油とか嫌いなのかは油にある不純物が嫌なのだすです。
硫黄とかが嫌なんだとか・・・
刃物を作るのに鍛造や焼入れの時に酸素が邪魔をするんだとか・・・・_?
なのと、炭やコークスは炭素の塊なので鉄をねって(漢字はどれ?練る煉る錬る?)いくときに
浸炭するし脱炭が無いのが理由なんだとか。
刃物は酸素が災いするので焼き鈍しに藁灰に入れるのもゆっくり冷ますのと酸素に当てない
のが理由なんだと・・・

日本刀や本焼き包丁の鋼に粘土をつけるのも酸素からの作用と硬さと柔軟さを出す役目と
焼入れをして水に入れるまでの時間。一瞬でも火から離すと温度が下がり、硬化が始まるんだそうです。
火から水に入れるまでの時間が速くてもダメなんだと?粘度がついてるだけ温度の下がりも遅くなる
780度で焼入れが良い温度ですぐに水に入れるのがベストなんだけど、火から離した瞬間に温度が
下がり、水に入れるときには780度以下ではダメ。これでは意味が無い・・・
そして830度ぐらいまで上げるとぐつぐつになってダメ・・・
ココが焼入れの難しさなんだと・・・・
水に入れるときの温度が大切なんだって・・・

さらに水に入れると熱で金属の周りが沸騰してガスが出る。ガスで冷えないから
鍛冶屋ひとりひとり研究して自分の技術にしてるんだそうです。
一生の間に完全に出来るのはせいぜいひとつの金属だけが普通で
白専門青専門・・・白が良いって鍛冶屋は青は難しい・・・
青専門は、白は難しい・・・・本焼きは白に限るとか青に限るとか評価してるそうです。
関西では粘土を全部塗って厚みを替えて焼入れします。
関東では半分くらい・・・昔から関東の刀は固くて切れるけど折れる
関西の刀は斬れるけど曲がる・・・そんな話は昔から聞きます。

高橋のオヤジさんは、大きく欠けると修理が大変でしょう?
だから細かく欠けるぐらいにして、曲がる方が直しが楽でお客さんにはそれが良いって
考えだそうです。
刺身包丁などはまな板を叩くなんて仕事はしないで刺身を斬るだけ
まな板に当たるのは最後に切っ先だけを使い斬るので刃が痛まないので
固くて良いのだそうです。
落としたら割れるぐらいでもOKなんだと和食の人が言っていた・・・・

家庭や洋食はまな板を叩くような使い方をします。それでは刃は欠けるより
曲がる方が良い。
中華もそうです。香港の料理人はいろんな包丁も使いますが
基本は中国料理は中華包丁ひとつでやり抜けます。
なので毎日砥いで切れるようにしないといけないので
杉本の中華包丁が良いって言います。理由は早く砥げる・・・
簡単に砥げなければダメ。なので柔らかいのに斬れるのが良いだそうです。

ではオヤジ様に特注で硬い包丁を造ってもらった自分は何故?そんなに硬いのか?
斬れ重視なんです。
ペティーなどまな板を使わないで使う包丁なので斬れが大事・・・・
牛刀はなんにでも使いますが、千切りでもまな板を叩くのはアゴに近い部分だけ
なるべくまな板と刃を当てません・・・
これが出来るようになると刃を鋭利にできます。長斬れします。
明治生まれの最初の師匠はキャベツの千切りで音が斬れる音だけでして
まな板の傷が少ない・・・・
物が斬れずにまな板を斬ってるうちは良い包丁は要らない・・・・よく言われました。

やっと少しだけ近づいてきてるかも?なので自分の砥ぎは結構鋭利に砥いでいます。
他人が使うとダメです・・・包丁を他人に借りない貸さない理由はこんなことです。

そんなこんなが理由でステンレスで水焼きを造らない理由もあります。

前にも動画を出しましたがキャベツを本焼き牛刀で斬る動画を出しました。
まだまだですが・・・動画を見れば判ります。まな板にアゴの近くを当てて切っ先までは
なるべく当てずに、円で斬る引き斬りのつもりです。こう使うと鋭利に砥いでも長斬れするんです。

2012年6月6日水曜日

昼は越前蕎麦、夜は魚料理


今日は、ご来店ありがとうございます。
色々お話しさせていただいて楽しかったです。(トコブシの煮方為になりました。)
くれそんさんは、自分が想像していたとうり、パワフルな方でした。(^-^)/
庖丁のご指摘頂いていた所さっそく直しました。(どうやら、力が入り過ぎていたようです。。)
庖丁研ぎは、奥が深いです!
でも、何とか自分の納得行く切れは出せました!
これからは、自分が使いやすいよう徐々に研いで行こうと思ってます。

今日は、ありがとうございました。

このブログから43水と極上牛刀を店に行って買ってくれたKさんです。
目黒の学芸大駅近くの越前蕎麦の職人さんなのですが
福井の小浜の方へは2度も行ったのに福井市内はまだ行ってません。
冬になったら仝包丁をお持ちの方がいる芦原温泉へカニを食べに行くつもりなのですが・・・
越前そばも気になる・・・福井に行く前に東京で食べれるならこれは行かないと。
越前おろしそばと鳥そぼろご飯に蕎麦茶で作ったゼリー付きでなんと1000円ですよ。
旨くもない蕎麦が1000円以上の所が多いのに、なんと得をした気分。
太麺か細めんか選べれるし・・・越前では太麺なんだそうですが細めんをチョイス
研究熱心な料理人さんで、創作料理もあるそうです。
久しぶりに美味しいお蕎麦を頂きました。
自画像です・・・(#^.^#)
髪の毛は随分白いのが出てきてるので違いますが・・・・・

夕方からは横須賀の北久里浜にある一升屋さんへ
居酒屋なのに魚のクォリティーが高い。美味い魚が食べれます。
高い魚を買ってくるのに居酒屋だからと安く出すので良いのかよ????って
一升屋の看板娘?の感じが良いこと・・・・
従業員が皆さん感じが良い・・・店で使ってる高橋の牛刀の砥ぎをどうやるか
悩んでいまして(和包丁は良い感じ)なのですが・・・洗い場へ持っていって直し砥ぎしてきました。
横須賀は両側に東京湾と相模湾に挟まれているので地元で良い魚を食べてるので
魚にはうるさいのだそうです。
2~3人前の大皿刺身の盛り合わせが2980です。どう見ても?5000円以上の見た目。
これでは儲かりません・・・穴場です。
自分は横浜で商売をしてるのですが横須賀から食べに来てくれるお客さんもいるので
お客様に紹介すると知ってるよ~って結構混んでるっていうので・・・実は潤ってるだろうと・・・・
儲けを低く設定してるので大変なんですよ・・・と・・・・
そこが難しい世の中でして・・・
飲食業は今は大変・・・うちもですが・・・・良い料理を出して儲けて自分も喜ぶ事が
難しい・・・大変な世の中です。


高橋刃物製作所-最後の手作り包丁

数か月前に、後は焼入れして磨いて終わりの極上波柄牛刀を見つけ、
こんな高額な包丁造っても辞める前に全部売れないからスクラップ・・・それゃ~勿体ない。
確かに焼入れして鍔付けて形を整え、磨いて砥いで・・・作業工程は沢山
売れなければ引き取るから造ってとお願いして数週間、問屋さんや刃物屋さんの制作が
終わりに近づいてきて、焼入れ前なので右利きを左利きように一本叩き直してもらったり
大分でき上がりつつあります。

この時の作業を撮れば良かったと・・・
一本一本手作りなので、途中にこんな形で良いか?なんて出来るのも自由鍛造だからです。
次男さんの後ろに最後の極上牛刀が並んでいます。あと少しで枝付け屋さんに出して完了。

龍神丸さんのリクエストの鍛造作業は三男ただしさんが、ステンの蒲鉾のヘラを叩いている
所を撮りました。

岐阜の中学生の包丁を磨いてる次男さんも撮ったよ~

江戸刻印彫りのお孫さんように、開業当時の刻印からの物も撮りました。
閉店後は要らなくなるので親父さんに相談してお祖父さんが造った刻印を分けて
もらえると良いよね・・・包丁の刻印って意外にデカイ・・・あんなふうに出来てるとは
知りませんでした。


2012年6月5日火曜日

記録用動画を撮ってきました

宮古島龍神丸さんから、高橋刃物の工場を見学したときには焼入れの作業しか見れなかった
鍛造をしてる所を観たかったな~とお話が・・・・店を辞める前に撮っておかないと・・・・・
昼のランチタイムの仕事を終えてから、行ってきました。

最後の牛刀の時に撮っておけば良かったのですが・・・・・・・・・
今日は、ただしさんがステンレスの蒲鉾のヘラを鍛造していたのですが
鉄を叩くよりステンの方が硬いので面白く形が変わらないよって・・・

店に行ったら先週も来ていたお客様なのですが、43水が気に入って最後の210の包丁を
御買い上げです・・・最後の一本が売れてしまいました。残りは195サイズのみ数本です。

まだ若い調理師さんが先輩にキャベツの千切りがダメって言われてYouTubeを見て
他の人がどんな風に斬ってるのか?ブログ用に出してある動画を観て引き切りを
練習してるそうです・・・(#^.^#)その動画から高橋刃物の包丁のリンクで買いに
来たそうです・・・「クレソンさんですか?」そうですよ~というと「キャベツの切り方参考
にしてます」だって・・・まだ新米調理師さんだそうですが、好青年です。。。。。。。。。
仕事が早く終わって急いで来たそうで240の特上43光を買ったそうです。まだ
極上は早い・・・サビも気になる・・・そんな話を少し話しました。極上は錆びないことは
無いだけでして、普通に使って大丈夫です。しかし包丁を拭く事を身に付ければ
ハガネの包丁にも対応できるので頑張ってね~と・・・・・・・・・・・・

このブログから良い包丁が欲しい人や若い料理人さんが意外と多くてびっくりしてます。
去年の今頃のブログページビュー数は一日10件ぐらいでしたが今現在200から300ですよ・・・
1万ページビューが一年掛かってました。これで応援ブログになるのかな?そんな気持ちでしたが
ここ数ヶ月で1万ページビューになり、2年で2万ですからびっくりです。高橋に買いに来てくれる
人や高橋の通販で買ってくれる人が随分増えて、工場は大忙しです。本当に感謝してます。

自分が良いと思っている包丁が、使ってみると皆さんが喜んでくれるので嬉しいかぎりです。

さて、これからyoutubeにUP作業します。第一段は東京目黒から買いに来てくれた
若い料理人さんの包丁を次男さんが砥いでる動画です。後半は先週も買ったのに
買えなくなるとと思うともう一本欲しくなって買いに来てしまったお客さんです。

2012年6月2日土曜日

とうとう六月になってしまった

この写真カッコイイ
60年のキャリアの背中・・・頭の中は何時までも包丁の事でイッパイ
まぁそんな人だから頑固頑固
兄弟皆数十年のキャリアですが、作業を見て気に入らないと文句言います。
流石に次男さんには言いませんが・・・

俺と二人で閉店後などに話を色々聞いていますが
三男は器用でなんでも出来るんだ・・・溶接なんて俺には出来ないが器用になんでも
造る。4男は俺なんかが出来ない営業で頑張ってきたからね、俺がお客のところに行くと
喧嘩してしまうからさ感謝してるんだよ・・・次男なんてよく辛抱して一緒にやってきてくれたからね。

何回かそんな話を聞きました。・・・・ですが? 目の前ではうるさい親方でして
みんなの気持ちをさかなでるような事を言うもんだから・・・頑固ジジイって・・・
今、親父様の奥さんが入院してるのでオヤジ様は自炊・・・
へそ曲がりだからちょっと頭を下げてお願いすれば良いものを・・・・・
兄弟の奥さん達がやってあげても変なこと言うからほっておかれてます・・・笑

そのせいで食生活がイマイチ・・・
北海道からこごみやタラの芽などを沢山送ってもらったので工場へお裾わけしたのですが
夜の8時ごろに電話でどうやって食べるんだ?だって・・・
タラの芽は天麩羅にしてコゴミは茹でて鰹節に醤油かマヨネーズでも掛けて食べなよって
言ったのですが・・・
こごみまで天ぷらにして・・・・言っても無理だよな?と思っていたのですが・・・・
仕方ないから今日は店のカレーを4人分・・・ご飯にかけてもパンにつけても
うどんにかけても良いからと・・・笑数日はなんとかなるだろう?
ここ数ヶ月で10キロ以上体重が下がって見るからに痩せて来てるので心配です。
仕事は頑固でも良いから私生活は謙虚にしたらみんなが助けてくれるよ・・・って言っても
なかなか素直になれないオヤジ様・・・・

高橋刃物製作所も最後は有終の美に終わりそうです。
今どき、商店などは何十年もやってお金を貯めて辞めるなんてことはなくて
借金が溜まって辞めるんだから幸せだよってオヤジ様に言うんだけど・・・
やはり死ぬまで包丁を造り続けたいのだそうです。

注文も沢山入っていてとうとうオヤジ様も自分用のベルトハンマーで鍛造が始まりました。
丁度暇になってきた時に壊れて上手く動かなくなってしまい
もう辞めるんだし仕事少ないから治さなくてもいいなんてみんなに言われて
ふてくされてましたが、今は、大量の仕事が入ってるので文句を言わせません・・・笑
3台あるベルトハンマーですが今日は2台がガンガン叩いてるので工場では
話は聞こえません・・・活気が有ります。
三男(ただしさん)さんと親父さん二人とも炉の隣で顔が真っ赤でした。
鉄板が叩かれてドンドン包丁の形になります。
鉄板を縦横90度動かしてすごいスピードで手を動かすので
見てるだけで面白い。昔からの鍛冶屋の仕事です。

注文ノートに作り終わると赤ペンで線が引かれます。
全部引かれると60数年の鍛冶屋の火が消えます。コークスや松炭の良い匂いも
嗅げなくなります。ちょぴり寂しい気持ちですが凄いよな高橋刃物製作所。
もうすぐゴールだ頑張れ~