2012年1月25日水曜日

長持ちな包丁

高橋刃物製作所の包丁と和鉄の和釘作りの白鷹さん



相反する鉄で錆びない鉄を目指して来たお二人・・・



http://www.youtube.com/watch?v=Yr86OtB3bWw

高橋のオヤジ様は、ステンレスを元に斬れる包丁を目指し

白鷹さんは、古代の建築物の釘を目指した。

千年持つ木造建築には千年持つ釘が必要。

宮大工は釘を一本も使わない・・・これは嘘。

http://www.frkw.com/index010.html

どこで二人が繋がったか?


ここからはオヤジ様から聞いた話ですが・・・


有名な水産加工会社に、白鷹さんの包丁を使いたいと依頼があり


数が大量だし錆びない包丁なら横浜の高橋刃物製作所に頼みなさいと・・・


その会社の重役がわざわざ横浜まで来て依頼したそうだ・・・


オヤジ様が「誰から紹介されたか聞いたら有名な白鷹さんからだと・・・」


オヤジ様「知らね~な?」・・・


重役さん「知らないって?あの方を知らない?・・・そんな所で良い包丁出来るのか?」


この一言でオヤジ様キレル・・・笑


「向こうがこっちを知ってて横浜に行けって言われたんだろう?」


「ならうちの包丁を知ってるからそう言ったんだろう。なら任せなよ」


その後から白鷹さんと何回か上京してきたときに有ってオヤジ様が


聞いたんだそうです「白鷹さんはなんでうちを知ってるんだい?」


白鷹さんはお兄さんが家の鍛冶屋を継いていて自分は築地の刃物屋で


働いていたそうです。


そこで高橋刃物の包丁を見ていたそうで・・・


お兄さんが亡くなったあとに実家の鍛冶屋を継いで土佐刃物を作っていたそうです。

そんな二人が目指したものが錆びない鉄・・・


オヤジ様もステンレスの前は、錆びない鉄を研究していて


大昔の船のイカリを元に作り、白鷹さんも薬師寺の再建に鉄を海につけたり


土に埋めたりしてサビが出切るまで放置したりして和釘を作り上げたそうです。


白鷹さんが和釘の材料としてる物とオヤジ様がイカリを交換して頂いたものが


上の画像です。これを固めてまた鉄粉にしてまた固める・・・


これを繰り返ししてやっと和釘になるんだそうです。


オヤジ様は、軟鉄では斬れる刃物にならないのでハガネ・・・炭素が必要


しかし、炭素は錆びる・・・いろんなことをして今の錆びない包丁が出来たわけ


なんですね・・・。


ステンレスがまだ斬れないって言う刃物屋は多い。


青紙も白紙にタングステンやモリブデンを足した。特殊ステンレス・・・なのに・・・


高橋の刃物に、鋼材メーカーと相談して作ってきた鋼材は青紙以上の


炭素量1.4なんて物もあります。これはやはりサビは出てきます。


青紙よりは出ませんが・・・今、売ってる極上の包丁はこれ。


手入れが悪すぎると錆びます。自分のは錆びたこと無し。


お二人とも高齢になり、まだまだ作り続けて欲しいのですが・・・


研究熱心な二人ですが、オヤジ様もいろんな発想から面白い物造ります。


名刀正宗の焼入れでできる稲妻を再現したい・・・


再現してしまいました。これは秘密ですが土置きに秘密あり。


これは、日本の刀匠がいろいろ研究してるが出来ないって諦めているもの・・・


その物は、釜戸に使うと最高なんだそうです。


実物を貰ったけど、使い道無し・・・鍛冶屋じゃないから・・・笑


画像を出すわけにもいかず・・・


刀匠ができなくて、鍛冶屋が成功・・・オヤジ様勲章物じゃない?


オヤジ様曰く「刀匠ったって鍛冶屋だろ?鋼材メーカーの人に本にしろって


言われたけど、学者じゃねえし偉そうに本なんて書かねーよ」って・・・笑


昔、何本か打った金属でドイツ?のスーパーハイスチールって金属の切れっぱなしが


あるんだけど、お前さんに打ってやるって話が・・・・


鋼材屋に成分を調べさせたんだがなんだか解らない成分や硫黄も入ってるんで


刃物鋼には向いないし、これで刃物にならないって日本の鍛冶屋が投げたやつなんだが


作ったらものすごく斬れるんだよ。採算性が合わないから数本作ったけど


これが最後の一本分あるからどうだ~?・・・・


欲しい刃物は全部買ってあるから要らないけど・・・・・・・


でも包丁のソリまでが長い包丁なら欲しい・・・


大きなキャベツを千切りするときに300の牛刀でハジが切れずに残る時が


有るのでそういうの作れる?


あると嬉しいのだけど・・・って話で制作中。


また無理な話なんだけど、シカの角でお願いします・・・・


今日見に行ったら焼入れも終わり、割ることもなく無事・・・


デカイ・・・重い・・・まあ、これから削るから軽くなるんだけど・・・


しかし、青紙スーパーもグラインダーに当てても火花が出ないほど硬いんだけど


これって全然出ない・・・削れないじゃん? 砥げるのかな?


どんな切れ味か今から楽しみです。





2012年1月17日火曜日

鏡面にする包丁としない包丁

鏡面にすると包丁が綺麗だし、汚れもすぐにわかるし



良いことも多いのですが、包丁によって日本刀のように



曇らして波紋などを目立つように砥ぐやり方も・・・



和包丁の本焼きなどで土おきして焼いた包丁は



焼きと水に入れた時の温度差で波紋が出てくるので



これを目立ちさせないとかわいそう・・・



それと多層(日本刀もそうですが折り返す回数が多くて層も消えるほど



折り返すそうです) 墨流しやマダカスカルなどや合せ包丁など



上手く砥ぐと綺麗になります。



この時使うのが、天然砥石の内曇という砥石。



これが高価な物で良いものでは数十万円。



包丁では、勿体ないので





自分は、これを使っています。(右側)





巣板ぎわ大上梨地って名前です。巣板地盤の近くの大上という層の





梨の身みたいに見えるのでそういう名前なんだと思います。





使ってみると研磨力が強くて短時間で砥げるし、最後は力を抜いて





砥石に砥いでもらう感じでやると内曇効果があるのでこれにしました。


 シノギより上はなるべく鏡面にして下は内曇効果を狙って砥ぎます


高価な内曇だと黒ひかりするそうですが・・・これで満足です。


この画像は、少し前の状態で今はもう少しかっこよくなってます。


天然砥石が好きな方は、土付け本焼きとかカスミの包丁を持っている人が


多いとか、必需品ですよね・・・


牛刀とかひとつの鋼材から造る包丁などは、今どきの砥石が合ってます?


家庭の包丁なら5000番ぐらいの砥石でOKって人も多いと思いますが


やっぱりそれ以上の番手の砥石を使うほうが切れると思うのですが?


金属はより細かい砥石を使って砥ぐと金属の表面が強くなる。


金属が密な鍛造した包丁などはより強くなり、長斬れすると思うのです。


間違いではないと思います。


余談ですが、砥取り屋さんの砥石は研磨力が凄いのですが


成分の中に鉄分も多いのか?人口砥石で研ぐのと違い


錆びにくい、スエーデン鋼の包丁でも砥いでる最中にサビが出てくるようで


これが積層の包丁や白や青の包丁の波紋や地鉄とハガネの分かれ目が


綺麗に見える原因なのかな?です。


砥ぐ事はまだまだですのでこれかも勉強ですが・・・・


押して斬るか引いて斬るか・・・


これもいろいろです。どっちにしても点で斬る・・・


これが一番だと思うのです。面で斬ろうとすると切った断面がイマイチ・・・


簡単に言うと円で斬る。小さな円と大きな円もあるのですが


円をイメージして切ると良く切れるのです。


試してみてください。自分はキャベツの千切りも円で切ります


まな板に当たる刃は根元の刃の部分だけになるようになると


包丁が長切れするようになりますよ。


事実、日本刀で斬るにも切っ先三分、刀の三分の一の部分を円運動で


斬るんだそうです。和食の職人が包丁を使う動作を見ると


やはり円で切っていますよね・・・


フレンチしか知らないシェフなどは叩いて切ってる動画があります。


あんなにまな板叩いたらすぐに刃が悪くなるだろうに・・・?


そう思うのですが・・・?


爺様がTVで初売のマグロを斬りさばいてる某寿司屋チェーンの


社長のニュースが有って一言「斬れない包丁だし、使い方がなってないな・・・」ですって・・・


腕の良い和食の職人さんのまな板は傷が無い・・・手入れもしてますが


魚は切ってもまな板は切らない・・・究極はこれでしょう~


自分ですが・・・まな板に傷が・・・・涙


2012年1月14日土曜日































    このブログを読んでいただき、遠い南の島から包丁を何本もいっぺんに・・・

  20数万円分も購入してくれたと4男さんから…社長は俺にお礼をしろと言ってますが

  人間、副業?アブク銭は身にならないとオヤジの遺言もあるし…

  買って頂いたお客さんの包丁をもう少し磨いて送ってあげたら喜ぶよ~

  

  前々から、高橋の包丁は良い物だけど、色気が無い・・・

  今の時代、見た目も大事だろとオヤジ様に言っていました。

  仕事が終わってから店で一本づつ磨くから借りていくよって持ってきて

  今日の夕方の休憩時間に持っていってみたら、埃にかぶったバフがけ用の

  ベルトが有って店での磨きはここまでは出来るってオヤジ様・・・

  ここまでできるなら・・・後は楽なもんだからもう一度もって帰ってやってみた

  800番のベルトでやって青棒を塗りコルク?ベルトで磨いて後は店の仕事の後

  いままでやってみた。明日って曜日が変わったので今日ですが・・・

  高橋に持っていって評価してもらいます。


 4番目の画像は3男さん、この人は兄弟の中で一番なんでもやる手が器用なひとで

 何でも治してしまう・・・5番目の画像は次男さん、今は主に刃付けをしてる時が

 多いような気がします。笑顔が一番素敵な人です。最初は怖い感じだったけど。笑

 作業が終わり火を消すのに炉からコークスを出していたり、回転砥石を洗って

 いたり、どの機械も数十年も使っているので大事に掃除をしています。


 オヤジ様は、自分の機械ハンマーが壊れてしまったので焼入れや材料の切り出し…

 

 最後の画像は、マグロを両手で切る刃物の途中の物。

 一本とか二本とか特注品は手作りの高橋刃物の得意物・・・

 大手では型からつくるのでできないし、築地の刃物屋から注文がきます。

 

さて明日はオヤジ様に交渉して南の島へ送る包丁をどこまで磨けるか相談です。

あ・・午前三時・・・早く寝ないと・・・・


























2012年1月12日木曜日

新しく買った刃物と使わなくなった刃物




   洋食でも出刃使います。魚をおろす以外にもハンバーグを作るときに

   肉屋から来るひき肉以外にもサーロインの掃除した肉もひき肉に使うため

   ミンチにする時とかに・・・

   そんなわけでわりと大きな出刃は有ったのですが小魚ように小さな出刃を

   購入。使う頻度は少ないのですが・・・

   これと、今では使うことが無くなった斧・・・何に使うと思いますか?


   狂牛病などが出てくる前は、肉屋から牛骨を買ってソースになるわけなんですが

   骨を割ったりするのに使ってました。 斧は40年ぐらい前にアメリカで買った

   スエーデン鋼で頑丈です。

   今では、近所の家で年末の餅搗きの時に材木を割る以外使い道がありません・・・・

   キャンプにも使わないし・・・

   ですが、自宅の庭の木もいつの間にか大きくなって枝が大きくなりすぎ

   ノコギリで落とすのも時間がかかるし? 

   高橋刃物製作所で細 身 先 丸 型 な たを発見

   これがまたよく斬れる・・・親指より太い枝がスパスパ斬れる

   これもまた暫くは使わない刃物になりそうですが・・・・


 今年初めて高橋刃物製作所に行ってきました。

 新年早々注文が多く入っていて忙しそうでした。

 料理学校の注文で牛刀とペティーのセットと他に柳刃を作っていました。

 社長は鋼材の切り出し、三男は包丁のつば付け、次男の人は

 お客さん持参の包丁砥ぎ・・・ここで一つ星和食屋の菅井さんの依頼で

 フグ引きの包丁のダメだし依頼・・・泣いていました 笑
 刃先からミネまでの間の平面出し・・・ここが一定でないと

 高額な天然フグの薄作りに微妙な厚さの差が出てしまうと言う理由なんだそうです・・・

 使う方はカミソリのようでなくてはダメ。作り手はそんなに薄くしたら

 今度は砥いで丸っ刃になるだろう?と・・・アハハハ

 ここの包丁はできると菅井さん・・・アハハハ

 俺にはわからない程の感覚? 確かに手作りなんで微妙にあるのは確かですが

 数グラムでも多く切るのとちゃんと計算して切るのでは一ヶ月で

 極上の包丁が買えるんだと主張・・・

 左手を添えなくても包丁を動かすだけでヒラメやフグが斬れないといかん。

 

 これも使う側が認めているからの依頼なんですがね?

 それ以外にもパテシェのお客さんが名前入れと砥ぎのお依頼で

 来店してました。一本のペティーは数年使ってるそうです

 フルーツを切っても割れないで斬れるそうで形が崩れないので

 気に入ってるそうでした。


 そうそう~このブログを観た石垣島の人から注文が来たそうです

 80キロぐらいのマグロを下ろすそうで数本の注文だそうです。

 またこのブログを観てくださっていたら、使った感想を聞かせてください~

 

 
 

2012年1月4日水曜日

正月早々、三日間のお休みで三日間寝正月の予定が貧乏性なもので
      横浜から340キロ離れた名古屋までひつまぶしを食べに・・・

     結構なお値段と聞いていました。どうせ高速は渋滞してるだろうと高速代で

      鰻を食べる予定でしたが…意外と安い・・・



       最初に四等分にわけてと有りますが・・・食べ方は三種類





        11時半開店前の10時半に店に行ったのですが既に店の前は人ごみが

         店の前で予約して12時半と言われ駐車場で恒例の箱根駅伝をず~と

         観て過ごし、昼ご飯には丁度良い時間に

         初めてのひつまぶし・・・うなぎが焦げてる・・・

         うなぎの捌き方って関東と関西で違いますが名古屋は関西風

         関西風っていうと怒られますが、元々は岐阜の川魚料理人が

         京都などに移って作り始めたのが元だと誰かに聞きました?

        なので京都の川魚料理屋は美濃の地方名が付いた店が有るんだと・・・

        長良川周辺からなんだとそのへんの人たちが自慢してましたが?

    

         さて、包丁も関東、名古屋、関西とウナギ包丁も形も違うんですよ。

         修行した所で場所が違っていても包丁で判る・・・

         高橋刃物製作所でも関東風ウナギ包丁作っています。

         ほとんど職人しか使わないので特注ですが

         天然ウナギも釣り上げたモノは針が付いたうなぎしか出さない

         鰻屋さんではたまに針を飲み込んだウナギもあるので

         築地の包丁屋から指定で作っています。なんでも針で包丁が

         欠けるので?針ごと引いてしまう高橋の包丁が指名されるんだと・・・・

         

         オット・・・うなぎの味ですが・・・正月で忙しいのでしょう・・・

          職人さんをかばえば・・・こんなもの・・・・でしょうか?

         うなぎは関東風が好みです。・・・ですが実を言うと十数年前までは

         鰻は嫌いでした。それほど良いうなぎを食べていなかったのが理由でして

         浜名湖に行っても鰻は食べないし、食べてもうまいと思えなかった・・・


         栃木県の西那須に行ったときに、定食屋でもそば屋でも寿司屋でも

         必ずウナギの看板が有って?うなぎが有名?なの?

         他に食べたいものも無くてうなぎでビールでもと入った店のうなぎが

         初めての美味さ・・・・うなぎを摘みにビールでしたが・・・

         旨さにびっくりでうな重も・・・完全にやられました。

         なんでも近くの川で養殖してるところが有って臭くない・・・

         これがうなぎの食べ始めでして・・・・この店の場所が解らなくなって

         まだ二度目の来店ができないんですが・・・

         そうそう・・・静岡県の三島という所も富士山の湧き水で

         浜名湖産のうなぎをしばらく生かして臭みが無いので

         美味しいウナギが食べれます。