2011年3月31日木曜日

包丁の鏡面加工

自分の包丁を見て、お客様が高橋刃物店へ行って購入!
刃をつけてあげたのですが、ピカピカにして~って・・・・・・・・
閉店後、800番から2000番まで耐水ペーパーでゴシゴシ・・・
2時間かけて、片面だけ・・・3000番が終わったのでステンレス用コンパウンドで終了!
 疲れました・・・片面だけで許してくれないだろうな・・・・

 これとは別に、今月で定年のお客様に柳刃包丁をプレゼント!
 つり好きで出刃で魚をおろすのですが、刺身用の包丁が欲しいと言うことで
 23センチの柳刃を平の部分を鏡面加工してあげたのでクタクタ・・・
 試しに魚を切ってみたのですが、片刃って良いかも・・

2011年3月23日水曜日

本焼き包丁


多分?洋食で本焼き(水焼き)の包丁ってあまり無いのかも・・・材質は?
プレスに使う高価な金属のダイス鋼だそうです。タングステンも入ってる
特殊鋼なので砥ぐのにいろいろな砥石を試しやっといい感じの物を探し当てました。
もう一本の牛刀本焼き(油焼き)ぺティーナイフも一本は同じ材質です
牛刀で肉も硬いかぼちゃも切ってしまいます・・・
キャベツの千切りもこれで・・
すし屋の大将がもったいね~!って言いますが、毎日ガンガン使ってますよ。
玉ねぎのみじん切りをして暫くおいていても色が変わらないし
高価な包丁をしまいこんで使わないコックや板前さんも結構いるのですが・・・・

昨日遊びに来た、ホテルOの修行中の職人(半人前)が言うのは、
食事に来たお客さんに刺身でクレームがきたそうです・・・

前に「板前は高価な包丁を持ってるのに使わないで、手入れが大変だから
砥ぎ屋に出してるのが結構いるんだよ」って言った事を憶えていて。

VIPのお客様の時だけ使っていて、そのお客様の時は使わなかったらしいです・・・・
そのお客様が後で和食では有名な人らしく板前が凍りついたんだって・・・笑

修行中も店の包丁を使って手入れをしない先輩もいたしね・・・
おかげで何本も包丁を砥いでて3針も縫う怪我もしましたよ・・・・・
お客が今日は誰がキャベツの千切りをしたか判るって言われたことも
有りました。切れない包丁だと嫌な仕事だからね・・・

前に10数年使っていた冷蔵庫が壊れ、マイッタナ・・・って言ったら
厨房屋が確かに高価だけど、これで幾ら稼いだのよ?
確かに・・・100万ぐらいしたけど、10数年で・・・一日何円だよな・・・
自宅の冷蔵庫は稼がないけど、店のは稼いでくれるもの・・・
包丁も同じ!何十万だろうと何百万も稼いでくれる物

2011年3月20日日曜日

助け合いで心も豊かになれる

店を始めて24年、始めた頃はバブルの終わり頃でした。店を始めるのもすべてが
高額で、小さな店なのですが2000万ぐらい掛かる時期でした。
店を始めるために修行中から業者を大切にしていろいろな事を教わりました。
当時、板前やコックが業者に無理難題や賄賂を要求していじめていました。

今回の大地震の影響でも配達に来た業者にコーヒーを出したり、ご飯を食べさせたり
道が混んでるから食べる暇もないしと言う業者にはおにぎりを作ってやったり
普段から、配達に来た業者にもゴミを回収に来た業者に、ご苦労様、ありがとうって
声をかける。

これって業者はいじめられているので凄くうれしいらしい・・・

逆に、これが助かっています。ゴミ回収業者は本当はもう一枚ゴミ袋に出さないと
いけないのに、いいよ!って1枚分で持っていってくれます。一枚350円のお得。
内緒で会社から怒られるまで値上げをしないコーヒーメーカーや、お米屋さんも
この大変な時期に、いくつでも配達してくれてます。
それを近所や友達に小分けして、譲ってます。譲っただけで感謝され
逆にうちに足りないトイレットペーパーや並んでやっと買ったパンを頂き・・・・
それをまた譲って、感謝され・・・・今、足りないものがありません・・・・・
わらしべ長者状態・・・・当たり前のことなんですがね・・・・

父親が、戦争で疎開して食べることに凄く苦労した話や疎開先から
帰ってきたときも、東京の家は空襲ですべて焼け、逃げて横浜に移ったので
友達と別れて保土ヶ谷駅から小学生時に道を聞きながら初めての土地に
帰って来た時に道を聞いた保土ヶ谷駅の近所の人にご飯を頂いたそうです。
そこの家だって大変な時に見ず知らずの子供に食べ物をくれた・・・
その後も大変だったのでなかなかお礼にも行けず、時が過ぎて
親父は行きづらかったのでしょう。その話を聞いてお礼に今から行こうって
一緒に行きました。ご主人はすでに亡くなっていて、奥さんが憶えていて
「当時、家にも食べ物が無いときに、旦那がそれが当たり前って言って
苦労したのよ・・・」って!
親父が息子の前でボロボロ泣いた事を憶えています。
「今が有るのも、子供を持てたのもあの一食があるから・・・」
後で、何でもっと早くお礼に行かなかったのと聞いたとき
「疎開先で田舎の子供がご飯を食べてるのに俺たちは何も食べれなかった・・・
 それが、見ず知らずの人に食べさせてもらったんだ。あのお礼は
 いつも頭の中にあったけど、どう返していいのか悩んでいた・・・
 簡単に返せるご恩ではなくてな・・・」

子供の頃には理解出来なかった・・・母親は横浜の農家で食べることが
出来ない家ではなかったし、親父と俺の秘密。

そんな訳で、自分の中にはあの一食の栄養のDNAがあるのかも・・・・

2011年3月9日水曜日

包丁の鏡面加工


 包丁砥ぎは普段は仕上げ砥石だけ、WEBで鏡面加工した包丁も良いなって感じて
 鏡面加工をしてくれる業者を見つけましたが、高い・・・・5万円から何十万まで・・・・・
 自分で出来ないかな?と探すと耐水ペーパーで最後は鏡面加工剤でゴシゴシ!
 光友の包丁は、お買い上げのときに砥いでくれるのですが・・・
 砥ぐのも修行と考えて、持ち帰ってから手砥ぎします。
 砥石で砥いでもなかなかミラー仕上げとまで行かずん、何かいい方法は?
 荒砥で包丁面の修正と傷を取り、中砥ぎ、仕上げ、此処まででも
 新しい極上光友で3日。本焼き(水焼き)牛刀は、砥石の相性がなかなか
 合うものが見つからなくて仕上げが上手くいかず一年・・・・
 鍛造の傷がまだ少し残ってます。ですが、何とか鏡面仕上げっぽくなりました。
 耐水ペーパーは凄い・・・1000番から1500番、2000番、3000番。
 最後に鏡面仕上げ剤でゴシゴシ・・・根気が必要~
 そして、最後に本刃付け。 頼まれて他の人の包丁を鏡面にするなら
 日当頂かなければ嫌です。笑
ここまでが耐水ペーパーでやり

  鏡面仕上げ剤とリュターのバフがけでこのくらいになります。
あとは、物を切るときに包丁に張り付く場合は濡れ布きんなどで包丁を
濡らせばOK! 
 
さて、高橋刃物製作所の刃物は日本鋼もあるのですが・・・・
どうも?今の日本鋼が少し不満があるようです・・・・
日立金属の安来鋼の作り方は伝承されていても、基の鉄は外国からの鉱石から
作るので、日本の砂鉄から作る物と違うらしい? 確かに極少量だけ日本刀の
為に、日本の砂鉄から作る安来鋼も有るのだそうですが・・・国宝級の刀鍛冶でも
年間、少量しか買えないそうです・・・・まして包丁用に買うことはまず不可能・・・・

それで、それならほかの金属で良い物を作れないか?
刃物を鍛造するのに、まだ機械が無い時代に自分のところで機械を作り
いまだに現役。100キロのハンマーだそうです。
関西は和食包丁。明治に洋食が入ってきて関東では西洋料理の包丁が
作られるようになって、ナイフの訳詞が牛刀になって・・・
戦後は金属が無いから鉄道のレールを譲ってもらい、レールから包丁を
作っていたそうです。その後、関東から新潟の三条、岐阜の関で大量に
ステンレス包丁を作られるようになって、それまでの手打ちの包丁を作る
関東包丁が衰退してきたそうです。そんな訳で?日本料理の板前さん達には
洋包丁のステンレスは良くないと・・・・知らないだけなんですね・・・・
そんな包丁が無いのも事実だし・・・が!しかし・・・・
安来鋼も今では本物の安来鋼ではないし(日本の鉄)ではない!
鉄が無いなら作ってしまうのが日本!
ゼロ戦に軽くて強い合金を使ったのは有名な話。
ジュラルミン合金。合金の日本。 合金や新しい金属は日本の歴史でもあるのかも?

ステンレスで日本鋼に勝る包丁を作りたい? ほとんどのメーカーや鍛冶屋は
ステンレスでそこそこの包丁が出来るならそれで良い。ステンレスで日本鋼に勝る
包丁は出来ないし、大変だから・・・錆びないで切れなくなれば砥いで・・・世の中大量生産の
時代だし・・・。
そこで高橋社長はステンレスでよい包丁を作るのが鍛冶屋魂だったのでしょうか?
手で叩いて鍛えるにも日本鋼よりきつい。なら機械を作ろう・・・100キロのハンマーで
叩けばステンレスでも分子を細かく出来るだろう・・・? 結構失敗を繰り返したそうです
ステンレスの板を抜いて型を作り、焼きを入れて磨いて作る包丁に押され
関東では包丁を作る鍛冶屋がいなくなってるのに・・・
店の従業員もステンレス辞めよう・・・と! 迄に・・・

話の中で20数年前ごろから良い品物を作れるようになったのか?
初期のぺティーナイフは、今も凄い切れをして現役。
そんな鍛冶屋の包丁は自分の中では此処だけ!
関東包丁もあと数年で作る所もなくなると思うとさびしい・・・・・
個人の魚屋も肉屋も少なくなってるし、自分の洋食屋も無くなってきてる。
それも時代の変化だろう・・・でも機械や冷凍食品では出来ない味もある。

2000円ぐらいで買える包丁もいいでしょう・・・でも切れなくなって捨てて
20年で5本買うなら、1万円で一本買って見ることを進めます。
2000円の包丁の原価500円。500円×5本で2500円。一本1万円の包丁の原価
それより高いと思います。安物買いの銭失いより良い物を!



2011年3月5日土曜日

高橋刃物製作所

今年、初めての投稿です・・・年末から年始、それが終わると確定申告・・・・次々と自分の仕事で
休む暇がありません・・・・今月も卒業式や送別会の予約が・・・・そんな訳でブログも停滞中。

久しぶりに、休憩時間に高橋刃物製作所に行って前から欲しかった、牛刀を購入!
買いに来るから売らないでねとお願いしていた一本。上から3番目
去年買った本焼き(水焼き)がなかなか相性の良い砥石が見つからずやっと
相性の良い砥石が見つかり、気持ち良く切れるようになったのが最近のことです・・・・
洋包丁で鍛造水焼きってたぶん?高橋刃物製作所だけでは????

前にも書いたかな? 20数年前に仕入れの市場の場外で道具屋で少し高いけど
これ良いよって買ったのが始まり。それから20数年使えるぺティーナイフなんて初めて。
たいがい2年ぐらいで砥いで小さくなって切れなくなり・・・それがいまだに現役。
たまたま、遊びに来た蕎麦職人が高橋刃物製作所を知っていて、まさか横浜に
鍛冶屋が有るとはびっくり~!包丁には光友ってだけで何処で作ってるかも知らずに?
包丁の直しもしてくれるって事で、ぺティーを持って行ったら店の人がステンレスの包丁を
作り始めた頃?だったか?ツバを溶接するときにまだ良い溶接が無くてつなぎ目が錆びるんだよな?って・・・流石、手作り!確かにつなぎ目が黒く・・・自分の仕事を憶えているんです・・・・
これって凄いことだと感動しました。大量生産では考えられないもの・・・

それで使っていたぺティーナイフは此処では一番安いほうで・・・でも自分は最高だと思って
いたのに・・・それからいろいろお話を聞いているうちに、ならもっと上の包丁はどんなに
凄いのだろうと考えた訳です。それと兄弟でやっているのですが長男の社長は高齢なんだそうで
あと数年で店を閉めるらしい???これを聞いたら残りを考えると一番良いやつを使ってみたくなり、手持ちの有り金を前金で・・・キープ! 次の日に銀行で下ろして手に入れました。
多分?洋包丁の牛刀で10万円越える物なんて絶対無いと思っていたのに・・・・
砥石も買って15万以上・・・
この包丁が硬い!毎日砥いでもなかなか磨けない・・・それでも砥いで砥石をいろいろ試して
やっと好みの切れ方をしたのが一年後・・・良い包丁って良い鍛冶屋が作ってうまく砥いで
良い仕事をして良い包丁になるんだろうな・・・・コック歴30年、包丁砥ぎはまだまだ初心者
です。
で、去年買った時に悩んだもうひとつの包丁が頭から離れないでいたのです。
出刃、筋引き、ミソノの包丁に光友の包丁が3本・・・これで仕事には十分なのですが
頭から離れないので・・・
本焼きと同じ長さの極上光友を!ぺティーナイフを去年、極上光友を買ったので
金属の感じは判っていたので早速、店に帰ってから砥いで試し切り!
むふふ・・・いいじゃん! 思ったとうり!

忘れていましたが、夕方になって社長が仕事を終えて手が空いたので質問?
実は、この人が作ったものならと買った去年の包丁の金属を知らなかった?
ダイス鋼なんだってタングステンも入っているとか?いろいろWEBで見ても出てこない
そんな鋼材で作ってるの聞いたことが無い?鋼材屋がそんな金属で包丁は無理って
言ったらしい。出来上がった包丁を会社に持って帰り検査するとこれがびっくり!
こんなの初めてみたそうです・・・・
昔、錆びないステンレスでよい包丁を作りたくて、それこそ会社が傾くほど失敗を
繰り返し、兄弟からこんなステンレス止めようとまで言われたそうです。
信念でやり遂げた職人魂!だからステンレスで此処の包丁に勝るものを探すのには
大変でしようね。
チャレンジ精神で次々といろんな鋼材で作ってみる。時には自分でも驚くような
発見も有るそうで、そんな中から生まれた包丁が去年買った包丁。
そして今日買った包丁も刃物用の鋼材ではなく、此処では秘密!
とにかく叩く!叩く!鍛造して鍛えた包丁はすばらしい~!
そうそう!値段の差は何処から?そんな失礼な質問にも答えてくれました。
鋼材の値段と手間!ただそれだけ・・・・・本焼きの水焼きはそれこそ社長しか
いいものが作れないそうです。(ほかの兄弟の話)まして超合金並みの金属で
焼きを入れるには、温度が違う!こればかりはまねが出来ないそうです。
此処で安い包丁から高価なものまで全部、鍛造品!6000円ぐらいから数十万円でも
すべて手作り! 此処の回し者と言われたらうれしいぐらい・・・惚れ込んでいます!