2013年11月26日火曜日

包丁砥ぎってやっぱり難しい

前にこのブログで何回も・・・その中で横浜のパイナップル工場の機械の刃について

書いた覚えが有りますが・・・兎に角どんなに斬れてもパイナップルの酸で刃が溶ける

そうすることで切れなくなるので問題は材質と作り方・・・

この会社のその機械の刃はスペインだか何処かから輸入していたそうですが

年間数回は交換していたそうです。それで当時の工場長が来て試作を親父さんに・・・

試作で2枚か3枚・・・半年経っても何も変化しないで使えてると報告が・・・

それから数年以上経っていますが注文なし・・・ず~と使えているらしい?

これは機械だから人間と違ってキレが悪くなったぞなんて言わないから

切った品物で判断するのでしょう?

少し前に、自分で数時間砥いで持ってきて、見せてもらい、うちの砥石で砥ぎなおし・・・

するとまったく切れ方が違うのが判ったみたい?その人なりに数時間かけて

砥いでいたものが、俺ごときが砥いで違いが出るとなると・・・実はどこかが違うわけ?

なら俺の真似で砥いでやればOKとはいかないのがあります。

それは包丁の使い方・・・これで刃の付け方を変えないとすぐに切れない包丁に

この辺は、刃物砥ぎを商売にしてる人の悩みになると思います・・・

目黒君にシャプトン12000番のクリーム色砥石を上げて・・・

これは刺身包丁などに良い仕上げ砥石でして小さな細胞も斬れるようにする

砥石でしょうね?・・・きれいに砥いできた?きれいに磨いてきたなんです・・・

爪に当てるとツルツル・・・・これでは滑って切れないのですよ・・・

本人が一生懸命にやって極僅かな返りもなく鋭利になっていましたが・・・・

これも僅か数分で研ぎなおしで良くなりました・・・・このくらいの番手なら砥ぎ減りが

少ないだろうから?という理由で渡したので・・・今度はシャプトンの5000番エンジ?

これで極上を砥がせてみると恐ろしく斬れる・・・まな板まで切れてしまうほど・・・・

こうなると12000より5000番が良く思えてしまいます・・・・これが砥ぎの初心者の

感覚になると思いますが・・・まぁ牛刀ですから肉や野菜をズバズバ切るには

こちらの切れ味の方が良いわけでして・・・・ですがこれでも包丁の使い方を

憶えてきたから長く刃が持つようになったわけで、普通の奥さんが切るような

切り方なら5000番でもすぐに切れなくなるだろうと思います・・・

同じ高橋の光の包丁を同じ砥ぎ方で砥いで三人の奥さんたちに渡します。

一人は、うちでパートに来てる人、後二人は普通の奥様・・・

パートで来てる人には包丁の使い方を教えています・・・・

他の人には教えていません・・・

次に持って来て砥いで上げるまでの時間は包丁をどの位使っているかで

間隔が違うのでわからない部分が多い・・・・ですが包丁がどのようになってるかで

研ぎ方を変えてあげています。これはどう言う事かと?

見た目がきれいで爪に当てるとツルツルする・・・

見た目で刃が小さく欠けている・・・・

見た目は良いけど、切れない所と切れるところが有る・・・・

使ってるまな板の違いも有るのでしょうが?

砥いであげて実際に切らせて見ると・・・・ああやっぱりと思うわけです・・・

その人その人でずいぶん使い方が違うわけでして・・・・同じように砥いでもダメなわけ・・・

なので、評判の良い砥ぎ屋さんでもその辺に気が付かないと人によっては評価が・・・

包丁を使い分けしてる人なんて少なくて・・・気に入るとそればかりで・・・

これが普通の人の包丁の使い方でしょう?

砥石と包丁の相性・・・これが難しい・・・

高橋の包丁だけでも鋼材の種類と焼入れの違いで合う、合わない・・・合わない砥石だと

滑ってしまったり、砥石ばかり減ってしまったり・・・

高価な砥石でもこの包丁には合わないな?・・・とかで種類が増える・・・

これに、墨流れや土置きした本焼きなどの模様を出すのにはやっぱり天然砥石が向くようで

斬れる刃を造る前に刃紋を出すための砥石が必要になって京都まで・・・

内曇・・・これが良いようですが高価ですから・・・刃を砥ぐことが重要と思い

今でも採掘してる砥取り屋さんまで行ったりして・・・天然砥石のことなんてまったく

判りませんから、当主に聞いて・・・砥取り屋さんは試し砥ぎさせてくれるので

本当にありがたい・・・一つ数万円するので買ったけど合わない・・・これが無いから

助かります。それでも二つ買ったものでも砥いで包丁によって好みが変わります・・・

砥いでは切れ味を確かめ、砥いで見た目で判るようになるにはもう十何年は掛かりそうです。

最後の仕上げでも砥ぎ方と番手でもずいぶん変わります・・・これが難しい。

ですが・・・あまり拘った砥ぎをすることも無いとも言えるし、言えない事も有るみたいですよ。

6 件のコメント:

  1. ここに集って来られている諸先輩方やクレソンさんは研究されていると感じます

    自分はたまに勉強方々、他人様の包丁を砥がせて頂くのですが・・・
    たまにコンコルド(死語)コンドル?カラスの口みたいになっている包丁を預かった時
    直すべきか?そのまま砥ぐべきか?ジレンマです

    クレソンさんはどうされてますか?

    先輩とか上司だと言い辛いですね?

    kazu

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    1. KAZUさんコメントありがとうございます。

      その人に聞いてからやってしまいますよ・・・
      その方が良いと思いますがどうでしょうか?と聞いてからね・・・
      そんな人用に、荒砥と電動砥石購入してますから・・・笑
      ですが手だけでやるには疲れますよ・・・
      目黒君も職場の包丁を砥いでいますが、必ず数人が手を切る・・・
      なので砥いだら包丁の使い方を気をつけてみてくださいと言わないと
      いけないようですが・・・
      自分で包丁を砥がない人は、まず使い方が悪い・・・

      ですが慣れて来ると、あの人が居るから包丁が切れるという様に
      なり、信頼関係が出来て・・・いつの間にか仕事では上に立ちます・・・
      これが俺の場合でして上司が「これで良いよね?」って感じになって・・・
      新しい職場で半年も掛からず信頼関係を持ちました・・・
      一年居たら数年居る人のようだと言われましたよ

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  2. 庖丁は、バンバン使って、ドンドン研いで、一日も早く、短くしましょう。

    25年も使ってはダメですよ。

    刃物屋がー(泣)

    目黒くんは、電話帳の使い方、知っていましたか。

    刃物屋です(笑)

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    1. あはは・・・目黒君・・・早く短くなりそうですよ・・・他の人よりかは遅いでしょうけど?

      40年近く使って、これと同じの欲しいなんて奥さんが居たぐらいですから
      プロでも10年は使わないと・・・笑

      電話帳?・・・あああ! 多分知っていないと思いますが?
              バリ取りでしたっけ?・・・錆よけ?・・・
              最後の返り取りに悩んでるんだと思いますよ・・・
             同じD15でも極上と本焼きだと僅かな返りが出るのが極上で
            やっぱり本焼きだと返りがほとんどでないような?
            最近の目黒君は、極上より堺から届いた包丁がお気に入りで
            最初の切れ味を出そうと練習してます・・・簡単に出来たら
            砥ぎ屋になれるもんね・・・ああでもないこうでもないと・・・・
            やってるみたいです・・・笑

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  3. 本焼きは、裏を研げばバリは、<飛びます><飛びます>坂上二郎さんでした。
    極上は、ひつこいです。電話帳で、<ガリガリ君>も良いかと?

    ここだけの話ですよ。電話帳の、《庖丁差し》

    目黒君へ、電話帳の、表裏に、<研ぎました、注意して使って下さい>目黒です、
    と書く!


    電話帳の開く処を、セロテープを張る、研いだ庖丁を、上から下から、差し込む

    約6本の、庖丁差しの出来上がりです。

    電話帳の、インクの油が、若干、錆び止めに成りますよ。

    最後に、おじさんは、古い人間ですが、この歌、覚えてください

    「柔道水滸伝」の歌詞です。↓



    言われてはげむも修行なら
    言われなくても やるのが修行
    つらい涙を 無駄にはするな
    あすの時代を きずくため
    ああ 花の
    花の柔道水滸伝

    花なら春には 咲くだろが
    なにもいわずに 黒帯しめる
    雲にきけきけ 男の恋は
    出方しだいで 火と燃える
    ああ 恋の
    恋の柔道水滸伝

    鏡に自分をうつすより
    人のふりみて 我が身をただす
    泣くなとまるな やるぞと決めた
    道に終わりはないはずだ
    ああ 花の
    花の柔道水滸伝

    堺のおじさんでした

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  4. 堺さん、

    ありがとうございます。
    心に響きました。
    自分は本当にまだまだですが、
    今やってることは必ず将来の自分の糧になると信じて、
    一生懸命やっていきます。
    さんざん遠回りしてきましたが、
    自分の道を信じて突き進んで行きたいと思います。

    目黒

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