2015年4月29日水曜日

庖丁の魔界の世界 其の八

日本刀なども最初からあの反りが有る訳でもないそうです。

焼き入れ前は真っ直ぐな形をしていて焼いて水に入れて

水からだすと日本刀独特な曲線の刀になるようですよ・・・

時代によって太さや長さや重さも時代にあった刀に変化していますが

日本刀の曲線は独特な刀鍛冶の伝承でしょうか?




日本刀の場合、この刀の場合と言うのでしょうか?

刀の歴史では、今の霞の庖丁のように軟鉄とハガネを合わせた

ような刀も在るそうなので・・・

この映像の刀は芯鉄の炭素の少ない鉄にハガネの炭素の多い

鉄を巻いてというか?ハガネの中に引っ張らない性質の鉄が

入ってるのか?先端の方は少ないからハガネが引っ張って

反りが出来るのか?


鏡面クラブの仲間の人が全鋼の銀三の庖丁を鍛冶屋さんに

依頼して出来上がり、届いた物を見たら片方に反っている・・・

これが問題あるのでは? と・・・・

このことに関して自分的に想うのは、仕方ない?

こんなことを書くと世間的には反したやつだと思われるかもしれませんが

その通りでWebより、実際はもっと酷いです・・・が?

鍛錬してる時、焼入れをしてる時、荒削りしてる時、その場その場を

観ている経験もあるし?

真っ直ぐな庖丁が時間が経つと反ったりした庖丁もいくつも見てきてる。

高橋の霞の出刃で店頭に並べている庖丁がハガネが引っ張って

湾曲してるのも在りましたからね・・・

地鉄とハガネの相性でハガネの引っ張りに地鉄が負けてくると

そうなります。それでも最初は焼入れの後に曲がり修正をして

治しているのですけど・・・より強いハガネでやったりすると・・・

なので普通の鍛冶屋は経験の無い金属を使わず、使い続けてる

地鉄とハガネを使いたがるのでしょうね・・・

それで今回は銀三のステンレス鋼の出刃・・・

炭素が入ったステンレス鋼ですから必ず引っ張り合う・・・

火造り作業で浸炭したり脱炭したりして

炭素がキレイに並んでいなかったり?焼入れで入り方にムラが

有ったり?いろいろな理由も有るかもしれません・・・

特注で出来上がって直ぐに届いているのでそんな理由も?

かなり鍛冶屋側の話ですが・・・

店頭で選ぶ時・・・・在庫で一年とか経った庖丁を選ぶと良いという

話もこんな所ではないでしょうか?

それでは・・・曲がっている庖丁はどうしたら良いのか?

自分で治す・・・危険ですし、金属は曲がると延びるので自己責任に

なりますから鍛冶屋に戻すとか店にもって行く!

薄い金属の庖丁なので手で曲がるぐらいですから、自分の場合は
光の出刃の修正前、ミネの方に隙間が有るのが
        判りますよね?さて何処を叩くとか曲げるか
        たぶん?判らないと思いますよ・・・


自分で治してしまいますが・・・これも鍛冶屋の仕上げで曲がった

庖丁のどこを叩くと治るとかこれが難しい・・・
ぴったり刃の方は吸い付いています!


曲がったところを叩いたり、木の隙間で修正したりしてる所を

観ると本当に疑問だらけで?

何十年庖丁を使い続けている料理人でも、庖丁を造ってる現場を

知らないと訳が解らない・・・そんなものですよ!

曲がらない、引っ張らない庖丁が欲しければ炭素の少ない安い

庖丁を買えば良い・・・良い庖丁は炭素を多く入れたいとか?

造り手は考えて造っているのですから・・・

それでも超一流の鍛冶屋は凄い・・・沖芝正国さんのたこ引き?

もう数十年経っているし、庖丁自体も河豚引きなみの薄さなのに

全く反っていない・・・今では70万ぐらいで取引される訳ですね?

一番手前の庖丁が上芝正国さんが造った庖丁・・・・
     曲がりやうねりなど無いです・・・高橋の極上本焼きも
     あまりありません。奥の出刃は光のステンレス系は
     真中辺りが隙間があるのが判りますが・・・でも治ります!


8 件のコメント:

  1. おつかれさまです。不躾ですが、小説の紹介をさせてください。
    祥伝社文庫 「おれは清麿」 山本兼一 著
    刀鍛冶の物語です。派手なエピソードはあまり無くて、淡々と鍛冶屋の人生が描かれています。火造りの描写も多く、興味を惹かれます。 刀鍛冶の矜持とはこのようであったかと、凄まじさに驚き、また納得しました。 おすすめです。

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  2. 良く知っていますね・・・
    杉原さんは、奥様が・・・
    本当に潔癖の人でした。

    もう一度、会いたい職人でした。


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  3. 申し訳ありません。

    自分しだいで・・鋼を使っても良いのではないですか?
    ただ、焼けが出ます。


    サビない、刃物、そして切れる刃物。それは理想です。

    しかし、鍛造と言う事が大変大切ですね? 刃物には。

    しかし、錆びない刃物は作れませんよね?

    何かを犠牲にしなければ・・・
    ただ、その様な思いで投稿させてもらいました。

    錆びて地に帰る刃物、残る刃物・・・
    ソーリンゲンに負けまい・・日本のエンジニア・・・・
    兎に角、長い戦いをしました。

    結局・・岐阜に任せました。
    岐阜の鍛冶屋の友人がいます。

    殆どが、打ち抜きの・・・物ですが?

    現在は、とても便利で買える、ダイヤモンドシャープナーが。

    研ぐより、捨てる・・或は・・・

    しかし、地場の物を生かす、そんな人が素敵と思います。

    非常に難しく、価格も高騰します時代ですが。
    錆びない、芦刃物さんのスエーデンが・・自分が使いよく思いました。

    若い料理人には、古い時代の話より
    明日を生きる、希望の話しがほしいです。


    では、失礼します。

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    1. これは室蘭産からのコメントでしょうか?
      なんとなく意味が解るかな?
      今の時代、料理屋でも庖丁の出番が減っています
      大きな飲食業では、一人の出来る料理人の仕事より
      その人が居なくてもアルバイトで十分なレベルの料理でないと
      居ない時には料理を出せないので、技術を必要としない飲食業ばかり
      増えてしまいました。これは庖丁鍛冶も同じような時代なのかもしれませんね

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  4. 「おれは清磨」読みました。
    他に「いっしん虎徹?」も、刀を造るのに炭が大量に必要であった事等や気力を
    すり減らして造る事を知り感慨深いものがあります。
    だからこそ、包丁にも造った人の銘が切られて欲しいと思うのは、私だけでしょうか?
    販売店の銘や、卸の銘に少し疑問を感じます。
    意味不明なカキコですみません。

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    1. 良くも悪くも日本の?堺のスタイル?分業制ですから仕方のなかったものですからね・・・
      ですが、福井の鎌などは冬場に仕事が無いから造った物を売り歩いて
      いたので有名に・・・
      日本刀だって柄の中に隠れますからね?

      ですけど、高橋なども商品わけ出来るように光とは入れて
      最後は光友の印が有るほうが売れたし・・・名を売れた商店名のほうが
      売れると言う歴史があるので仕方なし・・・親父さんもそれが鍛冶屋の
      しきたりって言っていましたよ。
      Webだけで素人の俺のブログでも日本中・・・ある程度世界中に
      数年で高橋刃物製作所も名が売れたし、世の中解らない物ですよ!

      親父さんが俺の名前を彫ってくれるから名前を教えてくれと言いましたが
      お断りしました。俺の名前など入れたら庖丁の価値が落ちるから・・・笑

      そうしたらクレソンとか彫ってしまい・・・恥ずかしくて・・・

      逆に無名の庖丁を自分の目で選ぶ事が出来れば良いのですが

      それも出来ないでしょう? ある程度は仕方ないのでは?

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  5.  なんか最近、ヤスキハガネ(安来鋼)でおなじみの日立金属さんが出している高性能工具鋼SLD-MAGICの自己潤滑性が話題になっています。接触する有機物と相互作用を起こし不思議なすべり性を示すらしいので、なんかそれで出来たナイフみたいなものは無いかと探しているが、なかなか見つかりませ~ん。

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    1. コメントありがとうございます。
      型鋼には素晴らしい仕事をするようですね!

      さて・・・高橋の親父様もステンレスで切れて研ぎやすい庖丁に拘って
      店が潰れそうなほど失敗を繰り返してやっとステンレスでハガネ並みに
      切れて錆びずに研ぎやすいものが出来たそうですよ。

      新しい金属で良い庖丁にするには大変でして、ハガネの庖丁を造る職人は
      叩く力、焼入れや全ての事がわかるから材料の違いがあることが嫌いです。
      そんな事をするより、今までの仕事の方が食べて行けます・・・
      なので皆さん、新しい物にチャレンジしないのだと思いますよ・・・

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