2015年4月27日月曜日

庖丁の魔界の世界其の七ー庖丁の曲がり

出来上がったばかりの庖丁が仕上げた人の癖や焼入れの温度差など

いろいろ理由が有って和包丁など僅かに反っていたりうねっていたりして

お客さんに届いてみるとなんだこりゃ~?と想うかもしれませんが

手造りで造る庖丁には、有るんですよ・・・・

まっすぐに直しても炭素の力で引っ張られて湾曲したり、うねってしまったり

出来上がりに曲がり修正をしてもね?

曲がりだけなら治せるけど、ねじれてしまったりだと俺でも治せません・・・

鍛冶屋か鉄の性質を知ってる研ぎ屋かにお願いするしかないかな?

曲がり修正も鍛冶屋が治すのですがこれが見ていても難しい・・・

曲がっているとこを叩くのではなくて、違う所を叩くと真っ直ぐに治る?

見ていると不思議で不思議で・・・違う所を叩くと真っ直ぐになっていくので

どうしてだろうと?思うのですよ?

経年変化で合わせの庖丁などは、ハガネが軟鉄を引っ張って湾曲したり

します。全鋼の庖丁も厚さや焼き入れ時の温度差なども理由があるのか

曲がりは出てきます・・・これが無いように造るのも鍛冶屋の力!

これがダメと思うか?これを治して使えれるようにするのかは

個人しだいです。


和庖丁を買ったら最初は裏研ぎで水平な刃線を出す事をします。

刃を付けるのはその先の仕事!

ですがね?何十年経っても少しの狂いも出てこないのが

流石名人沖芝正国! 今でもぴったりガラス面に吸い付きますよ・・・

高橋の極上本焼きもなかなかの物です・・・

ですが洋庖丁専門から和の庖丁も造り始めたのか?

誰が最後の研ぎをやったかで狂いはあります・・・・

親父さんも堺の研ぎ屋と喧嘩しなければその辺はきれいな仕上がりに

なっていただろうと思いますが、親父さんが荒研ぎしているので

削りすぎたり?こっちも削りすぎだったり厚みがあったり・・・

鍛冶屋が最後まで仕上げてしまってるのでしょうがない・・・・笑

知っているから怒りも無い訳で・・・自分としてわね?笑

では・・・個人の庖丁になって使ううちにねじれたり曲がったりすると

研いで治すのも大変!ハンマーで叩けば傷が着くし、金属を曲げると

真っ直ぐになっても長さが伸びる・・・それをまた叩けば更に伸びて

おかしな庖丁になってしまうので素人はやってはダメです・・・

少しの場合は手で治します。職人さんはハンマーと木の間に庖丁を

入れて修正します。

和庖丁の難しいのはこれなんですよ・・・

牛刀などは両側から研ぎますから自然と?刃線が真っ直ぐに研いで

行くのですが・・・(出来ない人の方が多いけど)

和庖丁は片刃ゆえ研ぎは楽だけど曲がりには弱い・・・?


高橋の出刃はステンレス系の光なのですが平らの所に乗せると

ミネの方が隙間が出てしまっています・・・僅かですがこれは

刃線や刃のほうは真っ直ぐに自分で修正した為・・・
ぴったり吸い付きます!」

鉄だって寒いときは縮むし、厚い季節は延びる・・・当たり前ですから

ハガネだけのせいでもないと思いますよ・・・?

刺身庖丁などは切った物が綺麗でないといけないし?

高価な河豚など厚みが狂えば一枚の河豚の値段が変るし・・・

厚く切ったら損したり?笑

なので庖丁を研ぐ時にまずは刃線を見て曲がってないか?

治してから研ぐって本当は大事!

まずそんなことをしないで研ぐ人の方が多いでしょうね?

庖丁を造るところから仕上げるまでの作業を細かく見てきたから

俺には判りますが、普通は知らないからね?


では?普通の人が庖丁を選ぶときに庖丁屋で使うサイズや

欲しい包丁を買うときに最低5本は出してもらうこと!

そして光り方や水平な刃が付いてるか曲がってないかを見て

一番良いものを選んで買うことが大事!

刃物屋には嫌われますが・・・笑

そして和庖丁は柄のほうから先までを覗く・・・・

この方法は鍛冶屋や問屋が庖丁を見る方法なので

そんな見方をすると・・・裏から良い庖丁を出してくる庖丁屋も

有ります!(裏話)

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