2012年11月9日金曜日

本当はハガネの包丁が良い

斬れ味、斬れ止まり、研ぎやすさ・・・ハガネの包丁の方がよく感じるもんです。

それは、ステンの研ぎにくさ、斬れ味の感じ、斬れどまりが完全に切れなくなるからでして

錆びないで少々手荒に使っても刃が欠けなければもっと良い

これは使う人もそうですが、鍛冶屋は皆思うこと・・・でもね・・・ステンとハガネの性質が

違うから同じように造っても鋼にかなわない・・・もしステンが先にあってハガネが後なら?

鍛冶屋はどう考えるだろうか? 同じに叩いたらアメのように伸びて使い物にならん?

なんて風潮も出るかも? 高橋で作った白紙を使った鉈で竹を切ったら切れるんだけど

疲れてきてグリップがゆるくなって横の力が入ったらパキンって大きく欠けた・・・

斬れるけど・・・なんだ弱いな?と感じたわけです。これは俺の知識がないだけで

えぐるような力には弱い・・・ステンレスのように粘りっていうか物が違うせいでして

そういう金属の性質だからです。

刃が丸まったステンレスの斧はまるで切れない・・・力で切断するだけ・・・

そんな話から・・・オヤジさんは、錆びないで切れる包丁を作ろうと考えたわけです。

粘りがある分固く感じて、普通に叩いても密にならないから焼入れしても性質が

変わりにくい・・・刃が付きにくい・・・鋼に追いつかない・・・

何千年も昔から日本で作られて伝えられてきた物と数十年前に日本で使われるように

なったステン・・・話になりません・・・誰もハガネの包丁を超えることが出来ない・・・・

機会を改造して、焼入れの温度を変えて、セブプロなどを工程に入れて

更に誰も考えない方法を取り入れて・・・ハガネに近い包丁が出来上がったんです。

これで良いとしないオヤジさんは特殊鋼から本焼き水冷却まで行って・・・

本来、特殊鋼は本焼きなどしなくても十分な包丁になるんです。

鋼材メーカーも本焼きをするとバラバラに砕ける・・・メーカーが試すとできないんですよ。

極上のD15はそんな金属なのです。 60年の経験でハガネに近づいた?

条件によっては上廻った刃物を作り上げました。

後は、使う人の砥ぎ・・・ハガネと違うのだから違う砥ぎが必要でして・・・これが難しい・・・

普通に切れる包丁にするだけなら5000番の仕上げで十分・・・


斬れ止まり・・・これも金属組織が違うために小さなノコギリ状態よりも大きなノコギリ状態に

すると同じぐらい長斬れします。では・・・斬れ味・・・これはやはり細かなノコギリ状態でないと

同じ感覚になりません・・・細い大きなノコギリ状態で耐えるだけの砥の角度が必要です。

こうすると同じような感覚で長斬れする包丁にできるような?感じです・・・

ですが、まな板を叩くようなやり方ではダメです。刺身包丁に適してる研ぎ方だと思ってください。

和食の店でも必ずあるのがステンレスの牛刀・・・錆びない、使いやすいはステンレスなんです。

和食は和包丁は良いものを買いますが、ステンレスはそんなこと考えず買います。

なので和食の人はステンレスなんて?というのだと思えるんです・・・

和食の人が高橋の特殊鋼の和包丁を使えば、錆びないし切れるし長斬れするし・・・

きっと喜ぶと思います。 そうなればオヤジ様の60年は千年を超えるか近づけるという

お話でした。 そこまでの包丁なので使いきれるかが問題なのですが・・・・

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