2012年11月7日水曜日

関西の包丁と関東の庖丁

苦し紛れで・・・関東の鍛冶屋はこっちのほうが硬い・・・って?
それは堺の包丁の仕上がりが良すぎてべっぴんさんで
関東の包丁の仕上げに比べると・・・そんな話を親父さんとヒソヒソ話・・・

和包丁の本焼きの波紋の正確差は関西の勝ち・・・
焼入れの時に粘土を着けて焼くのですが、鉄の収縮で模様の形も
少しは動くんですよ。それを考慮して土置きするのですが真似を出来ない・・・

確かに江戸砥ぎって刃先の形状などの特徴もあるんだそうですが・・・
包丁の美しさは西の勝ち・・・

同じハガネで焼入れしてそれ程高度の違いが有る訳無い・・・オヤジ様の意見。

オヤジ様の堺の名人が作った蛸引きを持っているのですがそれは素晴らしい

模様になっています。まるで絵に書いた日本刀のようです。

本焼きと日本刀が同じだと思っている人も多いのでは?

脇差とか短い刀は同じように作るのだそうですが

長い日本刀とは作り方が全然違うので「俺の包丁は日本刀と同じだぞ」なんて言ったら

馬鹿にされますよ・・・長いのは柔らかいハガネの芯鉄に刃に硬いハガネ

それに少し柔らかいハガネを包みこんで合わせる・・・?こんな説明で良いのかな?

そうでもしなければ合戦で簡単に折れてしまいます・・・かなり初心者向けな話ですが

だから本焼きに拘る事もないわけでは無いかと・・・・思ったりする訳です・・・

上手くできた本焼きは歪んだりしないので、霞に比べると長い年月でもビッシとしてる訳で

霞だってうまく作れば良いものなんだと思えます。金額も違うしね・・・

焼入れもハガネの方がムラが出来やすい・・・包丁を砥いでみると僅かな引きずりを

感じたりします。包丁をピカピカに磨くと色の違いで判るような?解らないような?

若干の違いが砥いでて判るようになった気がします・・・?

おやじさん曰く、特殊鋼の難しさは焼きの温度の幅が僅かにハガネより少ないだけで

ハガネの焼きムラをどうコントロールするかの方が難しいよ・・・って言ってました。

どちらも難しそうですが・・・・元々、オヤジ様兄弟は牛刀作りが最初で

オヤジ様は研究熱心だから日本全国のこの包丁はこの人とか・・・

東京の名人が作った柳とか堺の名人が作った蛸引きとか・・・

今はもう死んでいない人の作品だから宝ですね・・・・

なので高橋の包丁は最初は色気が無い・・・使って砥いで磨いてべっぴんさんに

するしかない・・・・べっぴんさんに育てる面白さは絶対のあります。

白鷹さんも名古屋のだるま屋さんの先代もひと目で高橋の包丁は良いって

判断したそうです。俺なんか使い込まなければ判らないし、たまたま使い始めたのが

高橋の包丁で他の包丁を使って判ったような?

良い包丁が最初から欲しかったら化粧で仕上げた包丁か有名な所の

包丁にしていたかもなんで、高橋の包丁を買ってきてそのまま画像で

出したら皆さんも関心を示さなかったかも????(笑)

極上の牛刀でも買ってきたのをそのままだとこんな感じ・・・・ヘアライン仕上げ・・・

14 件のコメント:

  1. ちょっと話は反れますが、日本刀の峰側っていうのは実際はとても脆いらしいですね。時代劇などの峰打ちみたいに、あんなハデに当たると本当ならポッキリ折れるという話を聞いた事があります。
    しかし、日本刀っていうのは鉄の矛盾を追求した逸品ですよね。

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  2. 庖丁以外のナイフや刀には全く興味が無いので知らないのですが
    包丁に比べて・・・・とかオヤジ様に聞くので何となく・・・
    なのです・・・結局は刀の使い手が良くないと切れるものも切れず・・・
    達人だとそんなものまで切れるの~?とか聞きますよね・・・

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  3. かつお包丁の人2012年11月8日 1:34

    鎌から打ち刃物に興味を持った自分としては、黒打ちを見慣れているので、ヘアラインで十分美しいです。鏡面愛?はプロの料理人の方の目線かもしれませんね。

    堺の包丁は確かに美しいですが、あまりにも整いすぎてて、職人の手による品物であっても、工業生産品的な感じが個人的にはしてしまいます。これは「どんな種類の刃物を通して、よい刃物を使おうと思うようになったか」で、個人個人感性や好みが分かれるポイントと思っております。
    まあ、本焼の和包丁は一生もつことはないでしょう…

    そんなわけでして、自分は逆にこのヘアラインの美しい保持が悩みのタネなのです。最初に高橋さんで買った光ペテも43空冷牛刀も、手に入れた時点で防錆紙からの擦り傷が、ヘアラインと直角方向に付いてますし…防錆紙って結構硬いんですね…

    しかも研ぎも初心者レベルというか、刃物は切れてナンボですので研がなきゃならないんですけど、その一方で包丁に汚い研ぎ傷をつけて汚しているような気がしてしまうのです。

    意外と素朴な疑問なのがこれです。つまり、研ぐと傷だらけになるのに、研ぎながら、なおかつ綺麗な状態の保持?(鏡面を含めて…)するって矛盾しているような感じがしてしまうんですよ。
    綺麗にしておきたいものほど、研ぎたくなくなる…
    まあ、黒打ちですと研ぎ傷があっても平が黒いし荒いので、そのコントラストでまあまあ見れてしまうんですけどね。ステンとか磨きはそうは行かない…

    もう同じものが手に入らない包丁を、自分なりに美しい外見にいかに保つか、が実に頭痛い問題です。


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  4. そうか~?
    髪の毛一本が口の中に入ると凄く嫌な気分になるでしよう?
    それ程口の中は感度が良いのですよ。腕に髪の毛が付いていても
    判らないのにね・・・異物を体の中に入れないように一番発達してるのが
    口の中でして、それが一番大事だから包丁も綺麗にする汚れか包丁の傷かも
    判らない庖丁など使う訳がない。とそういう事なんです。
    サビも嫌な味があるんですよ。黒皮が付いてる物は、サビ避けなんです。
    酸化皮膜が出来て腐食しにくいようにワザと残してあるのが理由。
    鎌や鋤は草の樹液や泥も付く、当然少しは研ぎますが切れてなんぼの
    包丁とはまるっきり違うでしょう?
    包丁は、昔から最後は天然砥石の仕上げで砥ぎキズが判らなくなるまで
    砥ぐんですよ。刃物は使えば減るし、一生の間に何本も使います。
    だから長持ちをするように砥ぐ・・・ただ切れるように砥ぐだけでは
    無いのですよ。
    自分は高橋で作ったかつお庖丁を買わなかったか理由が有ります。
    鎌から興味を持って黒打ちを買うときに高橋のかつお包丁を見て
    何も見えてないのかな?それが解らなければしかたないけど・・・
    高橋の刃物の信者のような自分ですが、傷がある理由も解っていて
    買っているのも理由が有るんです。見た目は最初は悪いけど・・・
    それ以上の物がある。
    疑問もじきに解れば解決します。あえて教えません・・・

    こう書くとメールで他から自分にだけ教えてくださいってのが来ますが
    何故自分の包丁を貸さないのか、自分の包丁はあげないで新品を上げるのか?
    すべて理由があるんですよ。うちにも高橋で作った黒打の剣鉈があるんですよ
    ある理由が有るから買った・・・刃物に興味があるなら教えない方が
    そのひとの為・・・・

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    1. かつお包丁の人2012年11月8日 13:43

      かつお包丁の平のところどころに残る、グラインダ傷のことでしょうかね。

      これは傷の深さはヘアラインの比ではないので取るのは容易じゃないですし、それでも磨けば酸化皮膜を落とすことになり、せっかくのさび防止効果がなくなる。

      今この返信見て思いつくのはこれくらいです。剣鉈は残念ながら現物見れなかったので分かりません…

      自分なりにいろいろ考えてみようと思います。

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  5. オヤジ様は、包丁の中まで見えるんだそうです?
    自分には見えませんが・・・野鍛冶が作った包丁が
    性能が高橋のより下でも多分そっちを選ぶと思います。
    普通の人には高橋の方を勧めますが・・・
    包丁に関心を持って研究をするような人には・・・です。
    昔の包丁でもグラインダーが出る前はヤスリを使っていたので
    傷はあるんですよ。材料と作り方の違いです。これがヒント。

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  6. こんにちは。
    先日、ツバの部分なのですがちょっと目立つ傷をつけてしまいまして、切れ味にはなんら問題ないのですが自分的に傷が気になってしまいまして。

    爪に引っ掛からない程度なのですが、この場合はコンパウンドで磨けばよろしいでしょうか?
    なにか良い研磨剤があったら教えて頂けませんでしょうか。食べ物を切るものなので、変なものは使わない方がよいかと思い、すいませんが
    相談させて下さい。

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  7. 写真を見ないとどの程度かわかりませんが?

    爪に引っかからない程度ならコンパウンドで良いと思いますよ。
    ただし、外でやるか料理の近くではやらないようにですね・・・
    包丁に付いたコンパウンドとかよく洗剤で洗うなりすると
    良いと思いますがどうでしょうか?うちの店ではナイフやホーク、
    スプーンも磨いていますが綺麗になればお客さんも喜ぶしね・・・
    当然よく洗ってから綺麗な布で磨き直ししてます。
    それでもホークなどはあいだの汚れが落ちにくいのでお湯で煮てます
    今度、お店に行ってホークの間を見てください・・・以外に汚れが
    付いています。

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  8. こちらのプロフを拝見して高橋の包丁が欲しくなり
    探していたところ、鯨の出品がありました。
    しかし、こちらをを見ていたら鯨は欲しくないとのこと
    買うのを躊躇しています
    材料と作り方の違い・・・
    ひょっとして利器材?
    鯨は高橋らしくない包丁なのでしょうか?
    私は、素人ですが鯨は高橋の包丁として所有するにはいかがですか?

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    1. 匿名さんコメントありがとうございます。
      たぶん?カツオ包丁の事だと思いますが、仕事によって使う包丁が違うので
      あの包丁はかつをぶし工場とか加工場などに合っていて店では使うことがない。
      そんな訳です。家庭で使うぶんにはいいと思います。
      特注でハガネを指定して作った利器材を更に鍛造して焼入れを
      して作られた物です。切抜いて焼入れした普通のものとは違いますが
      利器材から作られたものなので間違いありません・・・・
      それでないとあの金額では造れませんからね・・・
      それでも鍛造をしてやってるので、どうなのか?
      店で売ってる時からなんでこれ安いの?って聞いたことが有ります。
      これが答えです。

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  9. お返事ありがとうございます
    謎が解けました。
    形を見るに、野菜も魚も切れそうに見えたもので
    家庭用にもいいのかな?と思いました
    ただいま牛刀の出品もあるのですが
    管理人様でしたら、どちらがおすすめですか?
    http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b164012157
    なんだか、何度も質問してすみません

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    1. コメントありがとうございます
      光の鍔なし牛刀ってあんなに高くは無かった記憶があります?
      家庭用の鍔なしですが、つばがあるかないかで1000円ぐらいの差は
      有りましたけど?
      鰹包丁は、鋼が白2ですから錆びますよ、高橋の包丁ではステンレスなのに
      まともに切れる包丁が出来た初めての頃の包丁なので、買うなら光の牛刀が
      良いのでは?強力鍛造で浸炭してるので少しは錆びますけど、ハガネほどでもないし・・・使いやすいと思います。ハガネの包丁がよければ堺さんに探して
      もらえますし、相談すると良いと思います。

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  10. 親切なコメントありがとうございます

    牛刀はプレミア価格を上乗せしているんでしょうかね?
    じっくり、時間をかけて掘り出し物を探そうと思いました
    光のいいものを探します
    源正金さんと高橋さんとのつながりも、歴史があって面白いですね
    堺さんとは堺の包丁屋さんでしょうか?

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    1. 無いと値段が上がるのも仕方がないと思いますけど?

      一万円ぐらいなら他の同じ価格の包丁より良いかも?
      ですが元が一万もしないならあまり高いならその値段でいいものを
      探すもの良いと思います。
      正金の昔の工場のひとつが自分の家に近かったので・・・
      名前は昔から知っていたし、最後の頃は岐阜で作らせて売っているだけの
      会社でした・・・なので正金の新しい物は昔の正金とはずいぶん違いますよ。
      トヨタが日産に作らせて売っているようなものですから・・・

      ここにコメントをしてくれてる堺の包丁問屋さんで、高橋の親父さんを
      沖芝正國さんに会わせたのもこの人・・・九州の本焼きの人もこの人が
      間に入って会わせてあげた人ですよ・・・堺のドン?笑

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