2012年11月13日火曜日

宮大工棟梁西岡さんと高橋の親父さん

一度だけ、日本を代表する宮大工の西岡棟梁が高橋刃物製作所に来たことが有るんです。

皇居の何処かの門の修理で・・・門が傾いていて開け閉めが出来なくなって修復の仕事

だったと聞いています。 白鷹さんから高橋の親父さんの話も聞いていたのでしょう・・・

なんでも当時のままの状態に治せ・・・新しい部品を使うな・・・制約が多くて悩んで

包丁鍛冶屋の親父さんの所へ意見を聞きに来たんだそうです・・・

なんと腰の低い御方なんでしょうね・・・そんな御方に親父さんは、「そんなに触らせもしないなら

門の扉に車を付けたら良いだろうと」・・・・・

結局、暫くしてオヤジ様も気になって門を見に行ったそうです・・・

そうしたら? 車がついてるではないでしょうか?

城と神社とかお寺とか作り方が違う・・・攻めてくる敵に破られないように

強固な扉ですから重さも厚さも違う・・・棟梁も困ったんだろう?

平安時代と江戸時代では、作り方も金属の使い方も金属自体も違うんですね・・・・

きっと棟梁は解っていたはずですが・・・親父さんの発想も大胆で・・・・

結局どういう訳か?そうなったとか?・・・・

後で知ったのですが、棟梁も学者と相当やりあった事があるのだそうです・・・・

職人は職人の話や気持ちまで通じるんでしょうか?

棟梁の口伝えの話の中で職人から芸術が生まれる、芸術家から芸術は生まれない・・・

芸術的な料理を勉強してもダメ、基本をしっかり勉強していけばいつか芸術的な

料理ができるんでしょうね?・・・・基本が大切って事でしょう?

テクニックを使って見栄えの良い盛りつけをしても、基本の味が出来なければダメ

食べる人の口に入る時間を考えての温度とか・・・そんな事を俺も師匠の爺様に

聞いた憶えが有るな・・・ 

棟梁は100人の大工や壁職人などすべての人を束ねる事が出来なければ

棟梁をやめなさい・・・って・・・・

天皇の結婚式の総料理長をやった友達の爺様も同じことを言っていたそうです・・・・

京都の料理人がいくら有名でも1000人の料理をひとりひとり同じに出せる事が

出来ないから、修善寺の料理人が選ばれた・・・数十人の職人を使って

1000人以上の料理を出せるのが一流の料理人で、家族数人の料理なら

家庭の奥さんでも美味しく作れるだろ・・・とか・・・?

全く・・・足元にも及びません・・・

高橋のオヤジ様はそんな棟梁をびっくりさせる面白さがあるんですよ・・・・

高橋のオヤジさんは、いつも兄弟喧嘩の原因を作る人で人を束ねる人では

無いけれど・・・・魅力があるんですよ・・・笑




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