2015年1月18日日曜日

和庖丁の本焼きか霞か?

値段以外で考えるとどうなんでしょうか?

ひとつに霞の庖丁の方が研ぎやすい・・・

薄いハガネに柔らかい鉄、錬鉄とか庖丁鉄・・・を貼り付ければ

研ぐのも楽だし、ハガネの反りを抑えれる・・・

ハガネは引っ張るのでそれを抑えるだけの力(厚みで)変形を抑える仕事と

衝撃を受けてめる力も必要。

日本では砂鉄から鉄を作るときに炭素の多いキラキラしたハガネの部分と

柔らかい鉄の部分が出来て、柔らかい鉄の部分のほうが多く出来るのか?

ハガネの部分は刃物に炭素の少ない部分は柔らかいので建物の蝶がね

とかに・・・その炭素量の少ない部分の鉄を日本刀の芯鉄や和釘や

庖丁鉄にと用途を変えて・・・

錬鉄を開発したイギリスの鉄は不純物や炭素などドイツの鋼鉄には

かなわない。なので産地などいろんな関係でドイツのハガネ(鋼鉄)

のほうが武器には良かった訳で評価が高いのでしょう?

良いハガネで和庖丁や鉋を作るときに・・・

生産量で日本の軟鉄は少ないし高価、良いハガネは引っ張るので

それを受けてめる軟鉄にはイギリス辺りの昔の錬鉄が相性が

良い訳だそうです。高橋の親父さんもイギリスの古い沈没船のイカリを

繋ぐチェーンなどを大事に秘蔵していました。

鉋で有名な三木打ち刃物の鉋屋さんもその時代の錬鉄を大事に

集めています。

それも日本で明治時代にイギリスから買った船や鉄道のレールがそれ!

明治時代のイギリスで作られた錬鉄は作られた時代と

イギリスの鉄の産地が関係していてハガネに貼り付けて使う鉄は

庖丁でも鉋でも良い訳です。脆い鉄なので研ぎやすい!

現代では軟鉄はいくらでも作れるのですが、やはりハガネの反りなどで

狂いや研ぎにくさなどで錬鉄が良いんだそうですよ!

職人さんもハガネの引っ張りと錬鉄の力の関係が何年後まで

計算できるってのも鉋職人にはありがたいのでしょうね。

なので、本焼きより霞の庖丁が下ということは無い・・・

若い料理人さんなどは力があるし、庖丁の重さで切るって仕事には

霞の庖丁の方が利点あり!

本焼きはそれならどうなのよ?・・・

本焼きも上手な職人さんが作ると変な反りもでずに軽く作れる

薄く作れる利点もあるし、切る技や研ぎの技も出来てくれば

軽いし良いって事もあるのかも? 当然本焼きは難しいから

値段も高いのですが、値段以外にもそんな理由もあるのかも?


愛知の工業高校の先生もこのブログから?

白鷹さんの庖丁も買ったそうです。

白鷹さんの庖丁は、ハガネを受け止める地金の鉄が時間を掛けて

脱炭させたりして炭素量を減らして軟鉄を作る技術と経験が

あのような見た目は良くないが良い庖丁になってるのが良い!

焼入れの時に付く黒皮つき、酸化鉄が黒くなって錆びない。

最近は、東北大学の教授とJFEとの開発で炭素量が少ない純度の高い

純鉄で作ってるようで、昔の作り方で作った和釘が一本一万円

ぐらいでしたが、最近はこれを使って和釘なら5000円ぐらい?

薬師寺の再建に足りないぶんをNKKから仕入れ作った物

そんな訳で、本焼きもすばらしいけど霞の庖丁も理にかなった

良い庖丁な訳でしょう!

4 件のコメント:

  1. 初めましてクレソン様。
    横浜で平○さんと同じ鮨屋で板前をしている者です。鏡面クラブ、ブログ共々とても勉強させて頂いております!

    本焼 霞焼き それぞれ特性がありますよね
    ここ一番の集中力やテンション上げるならやっぱ本焼でしょうが出番があるのは高級店や料亭の花板さんでしょうか

    今時のバタバタした店 まな板も狭い 巻物やら何やら切ったり魚の皮引きまで一本の包丁で ってなるとやはり霞や筋引きが一番ですね、

    僕はv金の本焼使ってますが鏡面クラブの方に近々投稿させて頂きたいと思っております。 よろしくお願いいたします

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    1. 杉下さん初めましてコメントありがとうございます。
      勉強になるブログでは有りませんが宜しくお願いします。

      本焼きが、高級店とか料亭用って訳ではないと思いますが
      持つ喜びと軽さからくる利でしょうか?
      生の魚を切って出すだけでお金になる・・・かなり乱暴な言い方ですが
      それだけにちゃんとした仕事が大切で庖丁は洋食に比べると
      かなりの比重が違うでしょう。それだからより大切な仕事の道具。
      自分も勉強中です!

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  2. 愛知の工業高校教諭2015年1月19日 1:30

    白鷹様のことは、天然砥石のHPと、こちらのブログで知りました。
    はじめは、白鷹様のことにあまり興味を持ってなかったのですが、
    高橋刃物で刃付けをした包丁を入手したら・・・今までにない切れ味・・・これは何だ?
    ということで、鉄のことを調べはじめたら、”鍛造”や”鋼材”について知らないことが多かった。
    調べていくうちに、これは、単純な話ではないぞ・・・
    とくに、鍛造はすごく複雑・・・でも、職人はそれをこなしてしまう。!・・・
    機械のシャフトなど強度が必要な製品に鍛造工程が組み込まれているなど・・・重要な工程・・・

    で、白鷹様と髙橋様の関係を知り、・・・白鷹様の包丁はよく切れる・・・良い刃がつく・・・
    さらに錆びない鉄・・・・

    髙橋で鍛えたステンレスと白鷹様が鍛えた鋼・・・どのような違いがあるのか知りたくなりまして・・・
    ところが、白鷹様の包丁はとても入手困難・・・諦めていましたがこちらもブログで
    宮原金物様を知り、入手できたのは幸運でした。
    このお二方の包丁から学ぶことがたくさんあります。

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    1. コメントありがとうございます。
      鍛造工程・・・いろんな製品に使われていますよね!
      F1のタイヤホイールなどは、100トンのプレス機で鍛造して薄く作りながら
      強度もあがるので外国のホイールメーカーの名前でも日本で造られて
      いることは昔から有名な話。
      F1の車体のボールジョイントなども大阪の工場地帯の小さな工場で
      造られています。エンジンの部品もそうです・・・
      もし、日本が突然無くなれば世界中でいろんな物が壊れてしまうとか?
      いろいろ面白い日本の工業でしょうか

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