2014年7月17日木曜日

15年さんのD15極上330牛刀

一生懸命料理を作り、生活費以外の僅かな貯金をして庖丁を買うのだからバブル時代とは

まるで違う時代なのです。ご両親を亡くされて自分一人・・・頼る人も無く頑張ってる15年さん

閉店後はもう買えないので、代りに安くなった時に買っておいたD15・・・・

5年も経てば取りに来るだろうと想いまして・・・ ですが・・・

オークションで騙されて、お金より手に入らなくて落ち込んでいた人にあげてしまいました。

会った事も無いし身近の人でもないけれど・・・手紙で気持ちが伝わり・・・

15年さんの為に買った庖丁を・・・・

ですけど、最後の最後に特注で造ったD15の330cmの柄無しが有る!

自分用に特注したものですけど、5年は取りに来ないだろ?

ならそれまでに柄を付けてあげれば良いか~? 

ですけど、数ヶ月前にじきに取りに行きます・・・とメールが・・・


東京の柄付けやさんも廃業してるので、堺さんに頼みに大阪へ!が4月だったかな?

夏ぐらいまでで、急いでも無いとオーダー! なので後もう少しお待ちくださいね!

さて! D15は合金のダイス鋼・・・これが結構厄介な品物でして

炭素量1.5%なので日立の青紙スーパーぐらいな炭素量なのですけど

ハガネの炭素と合金の炭素の粒の大きさが違うんだそうです・・・

なので親父さんは、ハガネの炭素の粒なみに鍛造をする・・・

そうでないとハガネと同じようには斬れないとの理由だそうで、D15の鋼材は

普通の鋼材の厚みの1.5倍の厚さから叩いて伸ばしていくのですけど

これも炉の火もコークスの炭素の中で熱することが必要で酸素があるとダメなんで

炉の火の扱いも大切なんだとか・・・

元々が熱を入れて叩いてもハガネが飴の様な感じだとするとD15は硬い・・・

比べるとですよ・・・

叩いて荒削りも大変で時間が掛かる・・・問題は焼き入れでして

ハガネだと800度を境に高すぎるとひん曲がる・・・D15の焼入れは1200度ぐらいだったかな?

なので温度が低ければ焼入れが失敗だし、高すぎると割れたりひん曲がる・・・

元々は焼き入れは次男さんの仕事でしたが、合金では温度が違いすぎて親父さんで無いと

D15の焼き入れ温度に合わせられないんだとか・・・次男さんが言っていました。

なので温度がまるで違うから、鍛冶屋さんも白紙の本焼きが巧くても

青紙の本焼きは苦手と言う話があるのも理解できます・・・

それからドライアイスでサブゼロ加工・・・木枠に挟んで縛りあげてなるべく曲がらないように



ここまでやっても何本かは廃棄もあったりします・・・

この為にだけにドライアイスを朝から買いに!

D15で本焼きにするのがベストなんですけど、時間と鋼材の残りが限りがあるので・・・

本焼きにしなかったのですけど・・・この後に造りかけのD15の柳が出てきたときは・・・

ドライアイスも無かったし、どうせ最後だし売れなくても良いからと本焼きにしたのも

有りましたが・・・

柄が出来たらここで紹介しますね! 待っていてね!

2 件のコメント:

  1. お久しぶりです。15年です。
    何度かコメントはしているのですが、相性が悪いのか投稿が反映されなくて。。
    あれ以来、お伺いしてませんがまたお邪魔させていただきます。
    よろしくお願いします!

    返信削除
  2. あれま? そんなこともあるんだ?
    4本頼んだので
    まだ掛かりそうですが・・・お待ちくださいな

    返信削除