2016年12月1日木曜日

どうしても砥石では当たらない部分が有って


仕事柄、包丁を研ぐのも仕事のうち!

修行を始めた頃は、ステンレスの包丁で

良いのが無かった時代で、師匠や先輩も

ステンレスはいまいちだよな?って時代で

刃物屋に行っても切れるのはハガネだよって!

作る方も鋼の包丁の金属を加工する温度と

ステンレスの温度が違うし、叩いてもなかなか

硬くて伸びないから生産性とコストのめんで

型抜きをして削って焼き入れで終わる時代でした。

今でもそんなステンレスの包丁も多いのですが

30数年前に高橋刃物の光に出会ってから

ステンレスの包丁を見直したものです。

長切れするし良かったけど、落としたりすると

折れたり割れたり・・・それでも使いやすく、

次を買っていましたが、店を始めた頃に買った

光のぺティーがすごく良くて、大事に使い続けて

いましたよ!でもその時代の鍔の溶接が今ほど

良くなくてつなぎ目が錆びる・・・

その時代から砥石に当たらい所は耐水ペーパーで

磨いておりました。

アルゴン溶接の無い時代でしたから仕方なし!

それからは、高橋では普通の安い値段の光の

包丁ばかり・・・ですがたまに大きなキャベツしかない時は

ミソノの大きな牛刀を使っていました。

なるべく細く長く切るには大きな包丁が必要で

まだ光が高橋刃物と知らない時代でしたから・・・

スエーデン鋼の鋼ですからキャベツを切っても色が付く

それを落とすのが嫌でね~?刃を研ぐ仕事だけでなく

色を落としてきれいにする仕事が増えるから・・・

極上の牛刀の存在を知ってからはそれに代わり

野菜を切って包丁が変色することも無くなって

便利になりましたが・・・

高橋の閉店間際に、古い鋼材で昔の時代では凄く切れる

ドイツの鋼材が有って、親父さんはその鋼材は錆びるけど

凄く良い~!って隠し持っていた鋼材の残り。

その鋼材で大きな特注の大きなキャベツを千切りに出来る

切っ先が上がっていない包丁を作ってくれました。

今では、そのくらいの鋼材は、ステン系でも在ります。

特別凄くは有りませんが・・・まぁ~錆びるハガネの鋼材だから

研ぎやすく鋭利な刃が付きやすい。でも錆びるというか?

変色する・・・なのでとても大きなキャベツでも無ければ使わない・・・

今の時代、大きなキャベツは好まれないので・・・本当に

使う時が少ないのですけど、月末にいろいろ支払いをして

月が替わる頃に仕込みが始まると、包丁の出番が多くて

他の包丁が切れ味が落ちて・・・久しぶりに使ったら

やはり、変色・・・普通は切り続ける仕事には黒皮の鋼の

包丁が便利で、刺身包丁のように切っては洗う、拭くが

出来ればそれほど変色も有りませんが・・・

野菜をたくさん切るとステン系でないと変色は仕方なし・・・

それでも途中で流水で洗いながら使うからまだましですけど・・・

使い終わってから手入れ・・・砥石で研いで刃を付けて変色した

部分も砥石で・・・でも砥石に当たらない部分が出て耐水ペーパーで

そしてバフで鏡面に・・・それ程輝くまでしませんが・・・

そんな事は休日ぐらいしかできませんから水曜日に・・・

どうしてもステン系でも鍔の近くなど汚れます。汚れというより

曇りますからそれらの牛刀も・・・面白いことに極上でもさびにくい

包丁なのですけど?極上と同じ鋼材で水焼きで作られた本焼き

牛刀は何故か錆びやすい?・・・同じ鋼材なのに?

それでも普通の鋼の包丁よりは全然ましですけど?

さて・・・ドイツ鋼の包丁が厄介・・・長さ37cmの刃が有りますから

普通の2倍の作業!一本綺麗にすると他の包丁も気になりはじめ・・・
< 殆どの包丁を磨くとえらい時間が掛かります。

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