2016年11月9日水曜日

包丁の使い方と研ぎ方

千切りとか包丁を使ってるときに音がしない・・・

俺が異常なのか?本当は下まで切れていないのでは?

まぁ~YouTubeなどを見てる人の感想でして

習いに来てるやつの感想は、YouTubeと同じだ~?って・・・

本当に料理を出し終えるとまな板やフライパンまで洗い終えてる?

いつの間に3つも料理が出来てるの?あれ~それいつの間に?

そんな感想なのですが・・・それは当たり前な事で極普通の事!

何故?まな板を叩く音がしないのか? 貧乏だから刃を潰すと研ぐ!

研ぐと減る!減ると買わないといけないから・・・それともう一つ

昔は直ぐに切れなくなる安い包丁だったのでなるべく仕事が終わるまでは

どうやって研がなくても使えるか考えていたらこんなやり方になっただけ・・・

今も昔も調理場で研ぎ方をちゃんと教えれる先輩がいない!

自分で研究するだけで今のようにYouTubeも無かったしね・・・

インターネットは何者だ?って時代だから本を買ったりして

自分で研究するのですよ!

高橋の親父さんと話したり、堺さんに聞いたりして研ぎの勉強!

刃の付け方も親父さんに唆されて増えて・・・用途に寄って刃の付け方を

変えたりして、今度は普通の鉄の包丁からステンレスや特殊合金の包丁が

増えて、鉄の勉強して炭素の事を調べて、江戸前の柳と京都の料理人との

同じ魚を切るのに江戸前の職人はあごから切っ先まで使うのに料亭の

職人は切っ先三分だけ?何が違うのか考えて?洋食のコックだから

解らず?なので山梨の寿司職人さんにどうだと思う?と聞いてみたり?

自分なりに考えたのがどう食べるか?で、

刺身は厚く幅が無い、寿司のネタはシャリに包み込むように刺身より

薄く幅が広い?だとすると生臭い魚の匂いが出ないように繊細に切らないと

切った細胞から染み出る匂いが?

だとすると江戸前の柳の方が細かいギザギザが必要で・・・

刺身の方がそこまでは必要ないから包丁の使い方が違うのかな?

フグなどの薄つくりでは関西の職人さんもフグ刺しを細かに研いで

ゆっくり引いているように見える?

だとしたら?柳の刃の付け方とフグ用の包丁の研ぎ方は違うのでは?

フグ刺し用は江戸前の柳に近いのか?・・・

そんなことを考えて牛刀とぺティーナイフの仕上げ研ぎも変えています。

当然、牛刀と出刃も違います。包丁の材質も作り方で違いが有りますから

研ぎ方も変わる・・・鋭利で小さなギザギザの刃を付けて素人に貸すと

直ぐに切れなくなる?なのでどのくらいの腕なのかで研ぎ方も変える!

高橋の店でもちゃんと細かな刃まで仕上げて渡すと素人はすぐに

切れなくなったと文句を言うのでそこまで仕上げなくなったとか?

後から理由が判った!そういいうことも有って包丁は全部高橋の包丁に

なったのも理由がありまして、他のコックさん達でも沢山の違うメーカーの

包丁を持っている人が居ますが、それぞれに作り手の考えがあるので

砥石から研ぎ方まで違いが出てきます。なので面倒なので他は

みんなあげてしまいました。

全部、高橋の包丁ですがこれも時代や材質で違いが有ります。

高橋がステンレスで良い包丁になってきたころ、鍛造が親父さんで

焼き入れは次男さん・・・そのころの包丁は素晴らしい・・・

ですが、不幸にも次男さんが肺の病で長く入院してた頃・・・

焼き入れを親父さんがやるようになって固くなり過ぎた時代や

オヤジさんも悩んでいたころには製品のばらつきも有りました。

なので包丁やさんともけんかになったりして・・・

長年焼き入れだけ修行した次男さんには敵わない時代が有ったのも

事実です。料理人が一番良いと思う包丁は、錆びずに長切れして

研ぎやすい!の三つ!

今はやりの硬い包丁など、プロの料理人は嫌います・・・それは

研ぎの時間が掛かりすぎるからで、包丁を酷使しても

一日持てばいい!仕事の後に研げるからね!

包丁研ぎに数時間など使えません!そういうことを親父さんも

料理人に聞かされて固いだけではダメ!焼き戻しで研ぎやすい硬さまで

硬さを下げる・・・でも鍛造でしっかり鉄を絞めておくことで寿命を延ばす!

これで評価が上がりました。しかし寿命が長ければ・・・次に買い求める

日が遠くなるので数が売れなくなる・・・これは愛知製鋼の渡辺さんが

やめときなさいと言った理由なのですけど、親父さんの職人魂が?

一般の奥さんが新婚のお祝いにもらった包丁の柄がボロボロになって

修理に来た事も前に書きましたが、50年毎日使っているので

後何年も生きていないから大事に使いたいから新品は要らないと・・・

閉店まじかだったので、修理より新品の方が安いのにですよ!

包丁も小さくなってきてるのに「自分の力も弱ってきてるから、軽くなって

丁度良い」のだそうです。

自分の千切りの仕方も何故音がしないのか?それは先ほど書きましたが

貧乏性だから・・・引いて切るときにまな板に最初にあごの部分が当たります。

それでショックを下げてから刃がまな板に軽く当たるだけで切れるように

研いでいるだけの事。なので包丁を大きな円で使っているからなんです。

竹刀を水平に叩くと音がでかいでしょ?ですが剣道のように打ったら上げるように

使うと音が小さいと思います。それに近いかな? 勢いで切るのではなくて

刃で切るのだから余計な力は要りません!そんな切り方が出来るように

なると今度は叩かないので鋭利な細かなギザギザの刃でも潰さなくなります。

腕の良い職人だけの店では、料理場が静かです!切ってる音だけした

聞こえません。そして・・・鋭利なギザギザで切った野菜は色が変わりません!

四日でも使えるほどです。これも前に書きましたが、目黒君が二日前に切った

野菜があまりに新鮮に見えたからホールの女性がいつの間に切ったの?って

他の人が切った前日の野菜は黒くなって捨てていたのですから

当日切ったものだと思う訳です。こんな事一つでホールのパートさんから

の評価が上がり、新人なのに出来る人と思われて目黒君に対する態度も

変わってきて、店を変わるときには引き留められたそうです。

この話も、実は入った時と条件が違いまして料理長と相談して

料理長に別の店を紹介されたのですけど、その料理長もお前だけは

もう少し側に置きたかったといわれたそうですよ。

その前に俺に相談が有って話が違いすぎるので相談に来ました。

その時は変わった直ぐなのでもう少し頑張れ、そしてお前が居なくては

困ると思われるぐらいやっておけと言いました。頃合いを見て

こっちから目黒君の仕事場を見に行って、帰りに話をして

辞めるという前に料理長に相談しないさいと言いました。

なので一年もいないのに送別会もしてくれて料理長からの一言がそれ!

その料理長もフレンチでは有名な人なのでたった一年でも目黒君の

勉強になったはずです。まだまともに料理も出来ませんが

包丁だけはきっちり教えたので、まともに包丁を使えてちゃんと研いで

いるコックなど少ないので・・・まず見たことない!

上に立つ料理人はみんなそんなところを見ているので

今の職場でも2番がほとんど仕切ってる店で忙しいのに

目黒君には目をかけてくれているようですよ!

自分の中ではもっと教えたいし居てくれると嬉しいけど・・・

目黒君の為を思えば、若くも無いしいろいろ見て憶える事も有りますからね!

年齢も親子ほど違いますからかわいくてしょうがない!

これも山本五十六や日本一の宮大工の棟梁と同じで

やってみせ、言ってきかせて、やらせてみて、褒めてやらねば人は動かず

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たぬ。

やっている姿を感謝で見守って、信頼せぬば、人は育たぬ!

こういう気持ちなら部下の失敗でお客様にお詫びも出来るのですよ。

違いが判るようになるのには、いろいろな人を見て俺のやり方より

今度の料理長の方が良いよ!と思えれば良いのですから!

ず~と一緒だと俺色に染まったらダメなんです。

悲しくてもそれが現実ですからね!

たかが包丁研ぎ、たかが包丁使い、たかが料理なんです。

どんな仕事も同じ!でも大事なのも同じ!




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