2016年11月11日金曜日

包丁研ぎには用途によって仕上げが違う!

刃物研ぎが好きなマニアでも、大間違いな人がいます。

俺の牛刀は髭も剃れるぜ~!凄いだろ~!

なら牛肉のスライス10枚切ってみろ・・・刃が詰まって切れなくなるから・・・

出刃で刺身も切れるぜ!・・・切れすぎて魚を三枚にするのに骨まで

切ってどうするの?

って話です! 用途によって刃物が有る!用途によって刃のギザギザの

大きさを変える。これは当たり前!なので砥石も最低は三つぐらいは

必要です。 貧乏な俺は、昔は中砥と仕上げ砥石の二つで

包丁研ぎで包丁が減らないように研いでいました・・・

ですが、包丁の種類が増えて、料理の種類も増えて・・・

そうすると仕上げ砥石も4つ、中研ぎ砥石も二つ、荒砥も番手の違う二つ。

そうしないと包丁研ぎに時間が掛かるからです。

大木を切るのに糸鋸では時間が掛かる・・・細い板を切るのには

大きな鋸では切りにくい・・・

例えば、魚と牛肉では繊維というか?性質が違うので

どちらも刺身包丁で切れますが、牛肉などでは途中で肉のカスが詰まって

切れ味が悪くなってしまいます。刺身包丁でローストビーフを切るなら

筋引きが牛刀並みのギザギザを付けなくては、仕事になりません!

なら?刺身包丁ではなく筋引きでやれよ!って話。

筋引きで刺身を切るなら刺身包丁並みの刃を付けろよ!って話。

しかしですね、用途によって包丁の鍛えから焼き入れの硬さまで

考えて作ってるので、本当は筋引きで良い刺身包丁の刃を付けるのは

大変な事で、高級な包丁になればなるほど難しくなる。

この辺は、上手くやる人も居るのですが・・・

でも筋引きを刺身包丁の刃にしたら、ローストビーフを何十枚も切るのは

大変です。

目黒君も、今の職場でカルパッチョを切るそうです、なので

堺さんに頼んで筋引きを購入。牛肉のカルパッチョならそれでOK。

魚のカルパッチョもやるそうなので特鋼光をあげました。

さてどう研ぎ方を変えて使ってるか?この辺の違いが解るかな?

では話だけでは解らないでしょうから?

まずは、和包丁は苦手ですが、俺の極上光の柳です。

少し拡大です。
次に35倍


35倍までしか撮影できないので判りにくいと思いますが・・・

ギザギザがほとんど見えません、刃先に粒粒が有るようにしか

見えないほどのギザギザです。

次にキャベツなどを切る大きな牛刀ですが、これもギロチン切りする人や

まな板を叩く人には向かないほどの小さなギザギザですが柳ほど

ギザギザが小さくは有りません。

次に出刃ですが、あまり魚を捌く仕事も少ないので和食や魚屋さんなどの

出刃の刃のように数を捌くことが無いのでギザギザは小さめですが

刺身包丁とはギザギザの大きさが違います。そうでないと皮は

切れないし魚の頭を外すのに骨と骨の間の軟骨も切れませんから

当たり前ですがギザギザは大きくなります。それと俺の出刃は

高橋のステンレスで普通の出刃より少し厚みが薄いので

しのぎから普通に砥石に合わせると刃先が鋭利過ぎるので

刃先近くでもう一つのしのぎ?を作り、普通の出刃の角度をそこに

作ってあります。なので丈夫です。ステンレスの鍛造なので研ぎやすいように

普通の出刃より薄く作ってあるのも理由があるのですが、解らなければ

二段刃とか言われそうですが・・・

如何でしょうか?用途によって包丁の種類が有るのに

研ぎ方が同じな訳が有りません。

もう少し倍率が有るカメラで撮影出来れば良いのですが

普段は、目には判りにくい欠けを見つけて修正するときに使っています。

爪に当てて少しづつ引いてみると引っかかりがアレ?って思える時は

目では見えない欠けが有ったりするんですよ・・・

理解して頂けますでしょうか?

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