2012年12月16日日曜日

一生物の包丁 高橋刃物製作所の光友

高級包丁の値段の割に見た目がそれほどでも無かった高橋刃物製作所の包丁ですが

手造りの包丁にしては、安い・・・なんたって兄弟達の魂が入ってるからね・・・それより

日本の刃物造りの鍛造がしっかりしてるから密度が細かい。

なので包丁砥ぎを繰り返しても減りが少ないと思っています。

自分の25年物の光ペティーも、50年使い込んだこの間の奥さんの包丁の実績があります。

一度ちゃんと刃を付ければ、コマメに仕上げ砥石だけでOKでして鍛冶屋として考えれば

次に買いに来るのは数十年後・・・これでは儲からない品物・・・だから一般の人が

家庭で毎日使っても一生使える包丁ということでしょう・・・・

昭和の30年頃からいろいろ考えてステンレス系で切れる包丁が出来れば

錆びないし、これに勝るものはないだろうと30年代後半には出来上がったステンレス系

初めの頃は、ほうとうに材質が良くなくて潰れそうになった高橋刃物製作所でしたが

あるときに、金属を切る特殊鋼に目が行って・・・それを製鋼会社に特別に圧旋してもらい

出来上がったのが初期のステンレス系包丁でした。

時代と共にステンレス系金属も良くなり高橋の包丁も進化していき

強力鍛造、焼きなまし、から削り出し、焼入れ、(鋼系は焼戻し)、ステンレス系は

ドライアイスに入れるサブゼロ(これをやると数ヵ月後の状態になるとか)モリブデンや

バナジウムなどが入ってるのでやるんだとか・・・

長年、秘密作業の部類でしたが他のメーカーがステンレス系の包丁を上手く作れないので

製鋼会社から他所に伝わってしまったので秘密から除外しました。

高橋でも製鋼会社の研究者と一者にやらなければ出来なかった事かもしれませんが・・・

同じことをやってるのがステンレス食器などで有名な新潟 グローバルって名前の

吉田金属ですね。高橋でもステン系の金属は新潟の製鋼会社からとっていたので

仕方ない・・・横浜の鍛冶屋がこれをやって良い包丁を作ってるって・・・話が回るわけです

プラス最終工程が高橋にあります。これをして最後の磨きに入り仕上げてるわけです。

なので同じサブゼロをしてるグローバルより安いし長持ちするんだと思います。

庖丁造りの良いところは全部入ってるんですよ。グローバルは鍛造してません・・・

なので焼きなましも要りません。型抜きして焼入れしてサブゼロして出来上がり・・・

これだけでも良いと評価される庖丁なのですが・・・俺のこだわりの手造り・・・

これなんです・・・買って使う方は一度買ったら使い続けたい・・・これではグローバル

なみに売れないと会社は大きくなりませんが・・・・ではグローバルと光友の差は?

切れ味やサビに強い等では大差は無いと思います・・・ですが耐久性はあると思います。

機械で握った寿司と職人が手の感触や食材で変える握りの違いかな?

機械では出来ない味が有るんです・・・砥ぎが楽なハガネ、使うと金属組織の違いで

物を切っていくと削れながら長斬れすると考えてください。

ステンレス系は削れるのが磨かれて行く感じと表現させてくださいね。

この違いが有るのでステン系は切れなくなるとまるで切れなくなります。

この違いが長らくハガネ系の包丁の素晴らしさと感じるのだと自分勝手に

考えています。そこを長斬れする特殊鋼で長く作っているのが高橋刃物製作所でして

恐ろしく切れる刃をつけるのと包丁の使い方を理解できれば毎日沢山の仕事を

してるプロでもしょっちゅう砥ぐ事は要りません・・・これを出来るようになると

他のメーカーの包丁でも同じように長く使えます。

目黒君にはキャベツを切らせる時にミソノの340cmで切らせていますが

ミソノの包丁も凄いと感じてるようでして・・・・要は砥ぎ・・・

使う用途と使い方で包丁の砥を変えているからです。

ミソノの薄口の方がキャベツを切るのには向いてるし形も向いてる。

同じような形で造ってもらったぐらいです。

大きなキャベツの千切りには大きな包丁で無いと千切りの長さが短くなり

コッパになるんです。和食の大根のツマも長くないとふわっと盛り付けません

なので前に自分が桂剥きをしてる画像を出しましたが・・・

あれで盛り付けると高く盛り付けれないんです。実はキャベツの千切りも同じで

細く長く切れるところは長くが正解なんです。ただそれだけですが

まだまだ目黒君には理解が・・・・(笑)

高橋刃物製作所のハガネ系は昔ながらプラスひと工程とステン系、特殊金属系

は光から極上まで焼入れ後空冷してからサブゼロ加工プラスひと工程で出来上がります。

特殊鋼極上本焼きは水を使い冷却してるので違います。

光と特上光の違いはサブゼロの時間が違うぐらいでしてほとんど同じ・・・

使うと硬さが特上の方が少し硬い感じがします。

3 件のコメント:

  1. お世話になってます。
    やっと特上光が手に入りそうです。
    あらためて、CRESSONさんのブログを読み直していて、この記事でなるほどと思うところがありました。
    というのは、実は、GLOBALの吉田金属工業には、ステンレスの鍛造製品もあるんです。文明銀丁というステンレス一体型じゃないシリーズとステン一体型でも型番にGFと付いているシリーズは、鍛造ということになっています。以前、この文明銀丁を手に入れて研いだことがあり、やはり、緻密な印象で、これが鍛造ということかと思った記憶がありました(その包丁自体は、形と大きさが合わなかったので,知人にあげてしまいましたが・・・)。その時に、なんで食器のメーカーだったのにステンの鍛造なんてやれたんだろうと思ったことがありました。その答えがこの記事なのかもしれませんね。もっとも、同じ鍛造と言っても、全く同じでは当然ないとは思いますが・・・。
    それにしても、包丁が届くのが楽しみです。

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    1. 仕上がりとサブゼロの工程は高橋のほうが負けている・・・ですが鍛造は負けていないと思いますよ。
      って使ってないのですから・・・・判断できませんが・・・
      ステン系は粘りが有るのだそうで、鍛造の時の温度がまた難しいのだそうです。

      包丁が届いたら数ミリ減って丁度良い硬さになってくると想います。
      刃先が温度高めにどうしてもなるので・・・数ミリ減ってから違いが出てくると想いますよ

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  2. 頑張って、使い込みたいと思います。

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