2012年12月23日日曜日

上手く使えば一生物

 料理人になって初めての頃に、使い始めたステンレスの光も落として折れなければ
 キィーフルダーにならなかったのに・・・高橋で造った昔のハガネの包丁を50年以上使いこんだ
 ご婦人の庖丁を見せて頂きました・・・・高橋刃物の作り方も良いのは判りますが・・・・
 使い方も良いのでしょうね
昔ながらの造り方で親父さんに造ってもらった包丁です。
江戸時代の蔵の蝶がねなので砂鉄です・・・ですが刀になるような物が良い砂鉄では
有りませんが、大昔はこんな造り方でやったんでしょうね
軟鉄?地鉄を叩いては伸ばし折り返し・・・100回以上折り返すと日本刀のように
折り返しした模様のような物が消えます。なのでこれは包丁なので8回ぐらい折り返した
包丁です。叩いて折り返すことで固く柔軟な地鉄になってハガネと合わせると丈夫な包丁に
なるんだとか。叩いて伸ばすから模様のような折り目に
これが墨流しという造り方だそうですよ。
現代では、製鋼会社がなんそうにも重ねた鋼板が有りまして、それを叩いて造る方法が
有りましてダマスカスとかの名前で売ってるのがそうです。なのでこんな作り方ははしません
ダマスカスは強弱違った二枚の鋼材を折り返すのですが、現代のは重ね合わせサンドイッチ
状で作り、微妙な厚さの違う鋼材を重ねて、打ち抜き、削ると叩いたような模様に
なるわけです。頭が良いですよね日本って・・・?

話は違いますが・・・日本で真珠の養殖化?人口化?日本にとっては大発明ですが・・・
これが、中東の国では天然物の真珠で生計を立てていたのでたまったものでは
ありません・・・餓死者が出るほど大変なことになったそうです・・・・
その後、石油が取れて裕福なお金持ちになったから良いものの・・・
日本を恨んでいる民になったでしょうね・・・?

これが日本の凄いところで無いものは造る、そして良いもの過ぎると?(笑)
うちの店で使ってる新潟のステンレス食器のYAMAKOの18-12
今では、ノーベル賞の晩餐会で使用されてるメーカーです・・・・・
ヨーロッパだから銀食器?では無いんですね・・・・
これもたまにリューターで磨くと綺麗に光ります・・・これも開店25年なので・・・
錆びないし良いんですよ・・・買った時は高価でしたよ・・・
ですが、25年も使えれば元は完全に取れます・・そんな新潟のステンレスメーカーが
包丁に進出

高橋でやってるセブブロをやるとステンレスの包丁が良いものになるんです・・・
高橋でもステンレスは新潟からとっていました。新潟の製鋼会社がセブゼロをやれば
良いものができると流して、ステンレスを売り・・・?
親父さんも愛知製鋼の研究者などと共にステンレス刃物を造ったので仕方が無いのですが
農耕鍛冶屋がステンレス食器メーカーになって刃物メーカーに・・・

トコトン研究したので、高橋にはもっと秘密が有りましてこればっかりは何処も考えないか
セブゼロまででOKなんでしょう?

木のまな板からプラスチック樹脂のまな板に変わり・・・保健所の指導ですが
包丁の使い方では今までの包丁には酷な状態になりました。
ですが、まな板は切る物を乗せる作業台と考えてまな板に刃をなるべく当てない
やり方を、若い料理人に教えています。
肉や野菜や魚を切ってもまな板は切るな・・・・です。

お寿司屋のまな板は綺麗ですよね、きれいにしてるのですがそれだけでは無いのです。
なるべくまな板を切らないように上手く使うんですよ・・・・
そうすると包丁が切れなくなる時間が長くなります・・・魚を切っても切れなくなるんですが

和食でも洋食でも包丁の切っ先だけをまな板と接触するぐらいで
引いて切るときは使います
なので和食の刺身包丁の切っ先は重要なのだと思っています。

ペティーも薄く砥ぐので
トマトやきゅうりをまな板で切るときは切っ先が重要になるんだと思います。

なので切っ先だけは毎日管理するようになるんだと・・・・
それ以外の刃はまな板に当たらないから
それほど切れなくならないって理由ですね

そんな仕事が出来るようになると、炭素量0.9もあれば昔の日本刀と同じなんですから
十分・・・・ですが日本刀より包丁の方がいっぱい切るのですから良く斬れる物が
欲しい・・・砥ぐ回数を減らしたい・・・・と高炭素鋼が良いわけでして、
切れ味も違いますから欲しくなる・・・

砥げば同じように切れるんですが・・・斬れ味が・・・(笑)

ハガネは炭素量と焼入れの技量で変わります。同じ金属でも職人の考えで
固くも柔らかくも

ステンレスの場合、モリブデンやバナジウムなどが入ってるので炭素の仕事の邪魔を
するのでひと工夫もふた工夫もしないと同じように切れない包丁になるんだとか・・・
それができなかったからステンレスは切れないと世間の話になるんです・・・・
試しもしなければ判らないし・・・若い和食の職人も白鋼、青鋼の手入れの仕方も
判らないのに・・・・

知り合いの和食の板前と極上の包丁を切り比べた事が有ります・・・
高価な築地の包丁と俺の極上柳で切った魚を紙に乗せて染み出た水分を比べて

自慢の包丁の砥が悪かったんでしょう?研ぎ直ししてましたから・・・・

高橋の極上も高価ですが・・・良い包丁を持っていても育て方が悪い、研ぎ方も

腕は向こうの方が本職ですから悪い訳ありません・・・・

高い包丁を買っても包丁を育て無ければ意味がありません・・・

これが一番難しい・・・・

よく斬れて、長斬れして、包丁の使い方を考えれば50年・・・・使えますよ。

2 件のコメント:

  1. クレソン 様

    コメントのご返信を頂き恐縮いたしました。
    後継者不足の日本はこの先どうなっていくのでしょう?
    ブランドばかり追う風潮は終わり、本物志向へ向かっているように思えますが、本物が消えてしまっては元も子もないですね。
    私にお金が余っていれば、包丁職人の専門学校を作り、高橋刃物の方をはじめ優秀な職人に高給で講師を依頼するのですが・・・。
    使い込んだ光友の写真素敵です!
    この持ち主は素敵な料理で家族の笑顔を沢山見てきたのだと思え、幸せな気持ちになってしまいます。
    私はプロではありませんが、毎日料理を作っています。
    クレソンさんの包丁、料理へのこだわりのブログはとても参考になり感謝しております。
    高橋刃物のオヤジさんたちのその後はどうでしょうか?
    引っ張りだこで、色んな所からオファーが来ているのでしょうね。
    年をとってもそんな人になりたいですね。

    北海道移住人

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  2. コメント有難うございます
    親父さんは、なんでも鉄の会とか?誘われているそうですよ?

    話し始めると凄~く・・・ですが(笑)
    このブログもオヤジさんから出てきた話をうつしているだけでして・・・
    来年の2月には80歳・・・なのでブログも訂正ばかりでして(笑)

    相変わらず、工場の片付けを兄弟でやっています。
    かわらず言い合いしながらね・・・

    オファー・・・・どうなんでしようか?
    合間を見て覗きに行ってきますね・・・・
    忘年会、クリスマス、最後は御節料理・・・・なかなかこの時期は・・・

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