2013年12月2日月曜日

料理人を続ける・・・

何回も挫けそうになりながら・・・30数年・・・店も潰れず四半世紀・・・

なんで店を潰さずやってこられたか?・・・判りません・・・儲かっても無いし・・・

最近、友達の甥っ子がホテルの和食をやめてしまったそうです・・・

うちに来ることが、包丁も紹介されてやる気で頑張ってきたけど、顔を合わすことが

出来ないって言っているそうです・・・

こんなことは、今までにも沢山有りまして・・・辞めて行く人の方が多い仕事なんです

低賃金、長時間勤務、休みなんてほとんど有りませんから止める言葉が見つかりません・・・

なんて言葉をかければいいのだろうか? 本人だって一大決心で決めたことだろうし?

ただね・・・かっこよく思って入った人の辞めて行く率は高いと思います・・・

俺はどうだったか? アホなりに悩んで・・・一番最初の親方が作る料理にやられて

しまったから? なんて美味いトンカツソースなんだろう?なんて美味いスープなんだろ?

これだったかな? 俺たち若造が美味く造れないスープをちょっと来て味を直してしまう・・・

俺には神様か魔術師に思えました。 満足にできないのに作らせてくれる・・・

失敗したら直してくれる・・・それを見るのも見習う・・・動きに無駄が無いって言うか?

少しの時間で全てが終わってしまう・・・造りながら片付けて・・・料理を出し終わると

包丁までふきあげて・・・他所では味見もさせてくれない時代なのに・・・

これをなめてみなとかひとつ食べてみな・・・レシピなんて教えてくれません・・・

今のこの味を憶えなさいって・・・出会いからあっという間に他界してしまい

まだまだ満足な料理など出来るまで教えてもらえませんでしたが・・・

その時の味!絶対に忘れたくない味・・・これが柱になっているのかも?

それから他の店に移っても・・・其処の味が有るので従うしかない・・・

絶対にこの味のほうが美味いのに・・・なんて思いながら

なら此処のソースで美味く造ってやれ・・・ってね・・・同じ材料で同じ調味料で

焼き方や煮方を考えて・・・少しづつ少しづつ・・・変化させて・・・

一緒に働く人にばれないように・・・その店の味で・・・味は一緒なのに何故か

あいつの造ったほうが美味い?ってね・・・

店を始めてからも挫折は何回も・・・

20代半ばで店を初め、借金は2000万・・・これでも抑えてね・・・

運転資金は当初300万程、運営できるまで何とかなるだろうとの計算も

半年で300万が無くなりあせったりも・・・

この頃、結婚しようかなんて事も・・・ですが借金もあるし・・・

店と結婚を天秤にかけて・・・相手より、弟子の心配、責任の方が上で・・・

今、だったら簡単な事なのですが・・・一つも満足に出来ないのにいくつも出来ない・・・

そんなことで・・・未だに独身な訳です・・・だから悔いが無いわけでもないし・・・

立派なことも何一つ無し・・・時間は戻らないですから・・・

なのでそれからは店を取ったので、辞めるなんて相手に申し訳ない・・・なんて考えて

いました。

でもね・・・・未熟だったんですね・・・それしか出来なかったんだから・・・

その頃は、円形脱毛になったり胃潰瘍になったり・・・散々でしたよ・・・

そんなダメダメな俺が辞めていく人に何も言えない・・・未だに中途半端なのですから・・・

仕事に人生に・・・たまって来ると温泉に・・・車に・・・逃げて・・・

中途半端だから高橋の兄弟とかに影響されて心を動かされて・・・


心配な訳ですよ・・・そんな若い料理人が苦しんでいると・・・間違わないように・・・

遠くの灯台の明かり?・・・でもね・・・その明かりを見つけるのは本人しかいないの・・・

頑張れよ・・・若い料理人さん!

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