2012年6月28日木曜日

高橋刃物製作所まもなく閉店の日が来ます

高橋刃物製作所も後三日で50数年の歴史に幕が降りようとしてます。 ほとんどの店は、売上も悪くなり店を閉める事が最近では普通なのに此処のところ昔からの お客様が多く来店していて最後の買い物をしてるようです。おしまれて…高価な極上は大分無くなりました。 オヤジ様は、魚屋さんの社長からの最後のタコ引きと柳刃を制作中。最後の砥ぎの最中です。 まだまだ残った依頼の包丁も残ってるのですが、来客が多くて御買い上げ包丁の最後の仕上げ砥ぎで 仕事がはかどらない毎日のようです… それでも、まだまだ在庫は沢山有るのは左利き用とか大きな包丁や長い柳とか・・・ 30年以上前から使っているのに、光友包丁が光以外に特上、極上、本焼きなどなど色々あって まして横浜で造ってるなんて4,5年前まで知らなかったんですから面白い… TVなどに何回も出ているのに飲食業はTVを見ている時間が無いし、バイパスが30年以上前に出来てから 国道16号線を使わなくなり、あの場所を通らないものだから… 自分が生まれた頃に始まり、自分がコックになった頃にステンレスで良い包丁が出来上がり、 店の商標も平四郎と東源何々だった物が妨害やいろいろあって、商標登録の担当者の方が持っていた 名前を譲って貰い【光友】になったそうです。高橋刃物の店にその方の写真が今でも飾っています。 平四郎はオヤジ様の父上の名前ですが、そんな理由からほとんどの包丁は光友なんだそうですよ。 前回も書きましたがステンレス鋼材が今よりよくなかった時代に錆びなくて斬れる包丁が有れば 良いってことで試行錯誤してみて店が傾いたり…鋼材メーカーの渡辺さんが親父さんの仕事に惚れて 特殊鋼を持参してオヤジ様ようにわざわざ板を丸棒に作り替えてどんな形にもしやすいようにしたり… 苦労して今の包丁が有る訳で、死ぬまで仕事をしたいオヤジ様の気持ちもよく判る お客さんも一度使えば、良いって判るぐらいの包丁なのでもっともっと有名な包丁鍛冶屋になったはず なのにね。高橋の刃物はとにかく長持ちする…なので2,30年は普通に使えるから同じ人は、買い替えに 10年は来ない…買いましする人も多いのですが…商売は下手・・・・ 渡辺さんもオヤジ様に「一度買ったら10年は買い替え来ない鋼材でやると、数が出ないからそれでも やるのかい?」と言ったそうです。 オヤジ様は、錆びないで斬れる包丁を造りたい気持ちで商売より上に考えてきたからね。 それでも兄弟の家族を食べさせないといけないので日曜日に一人試作をしたり・・・ 娘に変人と言われたり…(笑) 今日も紹介して買った小学校の教師をしてる人が「斬れる包丁で斬った物が美味しく思える」って 言ってました。 自分たち料理人は高橋が有名でなくても高額な10万以上する包丁でも買います。 有名で高い包丁を持っていても使わない料理人も沢山いますが 自分は普段いつも使います。仕事が早く楽に美味しく切れてお客さんも喜んでくれる。 10万の包丁が幾ら儲けてくれるのか…それを考えれば安い物なんです。 今のご時世で潰れず25年も店を続けてこられたのも自分の腕だけでは無いんです。 和食の職人が持つハガネの包丁は錆びるから忙しい時だけとか天然の良い魚の時だけとか? そんな時だけ高価な包丁を使い、普段はしまい込む・・・・たまに使うだけで飾っておく包丁が イイ客、高価な魚の時だけ使って体の一部になるんだろうか?いつも思います。 そんな時に高橋の包丁を勧めるんですがステンレスはな?って?サビを気にして使う10万の包丁と 同じに斬れる高橋のステンレスなのに・・・ 鋼とステンレスは同じ砥石で砥ぐと感覚が違います。そのへんの違いも嫌なのかも知れませんが? 親父さんの考えでカチカチだと砥ぐのが大変で砥げるように硬さにします。 有次の柳などは硬いので職人が高橋に砥ぎに出す人もいるのを見て、わざと硬さを落としているのですが もしもオヤジさんがとにかく硬く造れば、結果は少し違ったかな? 包丁を自分で砥げない包丁じぁダメだろうって考えているので仕方ない・・・・ 前に柳をプレゼントした寿司職人は斬れるけど少し柔らかい感じがするって…極上を渡せば答えが 違ったかも知れませんが? ここ二年ほど親父さんと色々話してプロが使う包丁は落としたら割れるぐらい固くて良いんだよとか 砥ぎが下手だと砥げなくても良いとか?笑いながら色々話をしてきていくつか造って貰ったり 去年は43で本焼き水を造ったり・・・・ 43水は面白かった…家庭包丁のサイズで本焼き水のステンレス・・・ 硬度も高いし、鏡面にするのにも他の本焼きと同じぐらい硬いからなかなか大変でした。 光だと3時間も有れば鏡面になるのに…軽く倍の時間が掛かりました。 砥いでも硬い…ちゃんと砥げると面白いぐらい斬れる。 斬れる感覚も本焼きだし・・・こんな硬くては研げないだろうと心配してましたが 2万ぐらいで本焼きの包丁を買えるのが良かったのか? 何十本も作ったのにみんな売れてしまった~(笑) 包丁の事を好きな人が興味を持ってくれてあの価格なら喜んでくれて・・・・ 43水が最後の新作?あああ小料理包丁かな? 小料理屋さんが一本でなんでも使える包丁として作ったのですが? これも若い主婦に好評でして、形がヨーロッパの包丁の形に似てるし? 小料理屋包丁ではなく、小料理包丁の名前が良かったのか? さてさてあと3日でおしまいの予定です。 オヤジ様は変わらず作業してますが、6月は後3日で終わりです。 やっぱり少し寂しいのですが実感が湧かないのも事実で、一年後ぐらいに感じるのかな?

11 件のコメント:

  1. おはようございます。
    え!?六月いっぱいでお店閉めてしまうのですか?

    十月くらいに閉店予定と聞いていたのですが、早まってしまったのですね…

    いざ無くなると思うと寂しいですね

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  2. 三年前からあと数年で閉店って話があって去年の10月には閉める予定もあったのですが、親父さんとお客さんの希望で今年の6月まで延長していました。制作依頼が残っているので暫くは造り続けるのですが、月末から棚卸で閉店作業をはじめるんだそうですよ。既に洋刀は枝付け屋さんに最後の発送も終わり、和刀の残りを作る予定だそうです。

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  3. 岐阜の中学生2012年6月28日 18:29

    左利き用の包丁は、売れなかったら、これからどうなるんですか?

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  4. どうなるのかわかりません?
    廃棄処分か? お店に聞いておきます。

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  5. そうなんですか・・・
    という事は、お店に足を運んで買えるのは、6月いっぱいって事なのですかね。
    時間があれば最後にもう一度来店しようと思います。

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  6. Grandson彫刻2012年6月29日 9:03

    ZETEC超男様

    お疲れ様です。
    月末から来月頭に私用で地元に戻るので
    7月2日に伺ってみたいと思います。
    (一応4男さんの了承済みです。)

    4男さんからは長男さんは話し出すと
    ノンストップな方だから気をつけて!と
    忠告を受けたんですが、本当にそんな感じなのでしょうか?
    色々お聞きしたいので、むしろ嬉しいくらいなんですけどね!

    高橋刃物製作所でZETEC超男さんにもしお会いできるようでしたら
    宜しくお願い致します。

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    1. 7月2日に来店予定聞いていますよ。
      時間によって会えないかもしれないので、キーホルダーは店に預けています。
      刻印も親父さんに伝えておいたのですが憶えてるかな?商標なので誰にでもと
      いう訳にはいきませんが、この間は、わかったって言ってました。
      ノンストップ・・・・ですよ~(笑) しかし、ちゃんと聞くと島の漁師さんは
      凄いもの貰っていたよ? 何十年来のお客様でも端数は引いてくれるけど??

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  7. とうとう今日明日で6月が終わりますね・・・・。
    高橋刃物の長い歴史に幕を下ろすとき。
    注文の完成、完了まで?
    店舗は閉めるのかな?
    いずれにしてもお疲れ様でした。
    クレソンさんの応援ブログ。
    いつも楽しみにしていたので寂しくなりますね。

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    1. いえいえ。台湾から帰国の方にまで高橋の包丁を薦めて頂き感謝してます。(#^.^#)
      高橋の包丁との付き合いは30年以上なのに、オヤジさん達とは数年。
      今では宣伝部長? 此処の包丁に会わなければ包丁を使う作業は嫌いに
      なっていたかも・・・・

      次は南の漁師の宣伝部に配属?

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  8. Grandson彫刻2012年7月3日 14:27

    7月2日に高橋刃物製作所さんにお伺いして来ました。

    キーホルダー、有難う御座います!!
    かなり格好良く、昨日から使用させて頂いています。
    しかもLEDライトまで付けて頂いたので、夜に鍵穴が見えず苦労する…なんて
    事も無く非常に便利でした!

    また、刻印に関しては既に使用していない物を頂きました。
    実は祖父の作品の完成品を見るのは初めてなのですが、
    あのような物を作っていた祖父を改めて尊敬する良い機会となりました。

    伺った当初は4男さんとお話させて頂いていたのですが、長男さんがいらっしゃると
    まさにノンストップでした!!
    話して頂いた内容はとても面白く畳包丁製作の苦労話や、その苦労があっての
    極上があること、特上光43の使い勝手の良さや実はペティーナイフの製作が
    非常に難しいものである事、船舶を固定するための碇を使用した包丁があるけど
    チョット失敗しちゃった事など多岐に渡り、非常に興味深いものでした。

    正直、住居に近ければクレソンさんみたくしょっちゅう伺い、色々と
    教えて頂きたくなるような方でした!!
    そんな場所が閉じられてしまうのは非常に残念ですが、長男さんは
    まだ興味のある包丁の作り方があるから、それは続けて行きたいと
    仰っていたので、お店という形ではなくても高橋の包丁は作り続けられる
    かも知れませんね??

    今までクレソンさんや高橋刃物製作所の方々にお世話になったので
    つまらない物ですがお土産を渡しておきましたので
    もし高橋刃物製作所に行かれた際に受け取って頂ければと思います。

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    1. こんばんは。
      ランチの営業が終わってから行ったのですが買えられたあとでした。
      お土産有難うございます。
      同様日はてんやわんやだったそうで、月曜日で良かったみたいでしたね。
      キーホルダー気に入っていただいた様でなによりです。
      あの日は、親父さんが店に出てきたのがあの時間でして、ここ数日仕事しないで
      お客さん相手ばかりで兄弟からヒンシュクかってました。あはは
      面白かったでしょう???

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