2012年6月20日水曜日

ステンレス系の焼入れ空冷

今日はステン系の焼入れをしていました。
錆びるハガネ系と温度が違います。ハガネ系だと780度ぐらいだったかな?
ステン系は1080度まで温度を上げるので、松炭ではなくコークスです。光と特上光です。
此処で先日書いた火の色を見ながら焼入れは親父さんの仕事、火だけを見続ける仕事なので
それ以外の仕事は二人の兄弟がやります。今日の焼入れは空冷なので、自作の扇風機を
上下から風邪を当てるように二つの扇風機が上下でまわり温度が下がると出来上がりの状態が
わかるんだそうです・・・
焼き上がりをまだ熱い所で曲がりを修正してサブプロ処理をします。
ステンレス系でサブプロ処理を始めた包丁も高橋が最初、鋼材メーカーといろいろ相談して
包丁に使い始めました。
今では、有名な包丁メーカーもやってる作業ですがこれに感ずいたのは30数年前だそうです。
この作業の仕方は、秘密です。作業中、鉄が鳴きます・・・・キュウキュウと鉄が鳴くんですよ・・・?
鋼材メーカーが他所にも伝えたので今では高額な包丁は普通ですが、高橋では普通の光から
やっています。
鋼材によって、焼入れの温度も冷やし方も丁度良いやり方が有って高橋の凄い所です。
鍛造、焼きなまし、焼入れ、と全て炭素の火だけでやるので浸炭していくので元の鋼材が
炭素量が増えて行くんです。重油や電気炉では脱炭するので、やはり昔ながらのやり方が
一番なのでしょうね?職人がそこまで腕を上げるのに時間が掛かるし、ロスも有る。
儲けを考えると会社としては出来ない。小さな鍛冶屋では限界が有る。
大手でもコンピューター制御の真空窯を一度使うのにお金が掛かるので
30本そこらでは焼入れをしない・・・まとめてやるわけです・・・・
そこらへんが違うこと? ロスも出るが良いもんが出来る・・・平均点の大メーカーと違う所かも?

後、六月も僅か・・・注文が全部出来上がるのは無理のようでお盆ぐらいまで掛かるかな?
お陰様で43水焼きは残り僅か、極上も大分減ってきたようです~
あれだけ棚に在庫が有ったのにね~今月10パーセント割引閉店セールで朝から昔からの
お客さんが、自分のは在るのだけど娘にとか親にとか・・・有終の美になれそうですよ。

2 件のコメント:

  1. 空冷で焼きが入るんだから凄いなー
    矢張り金属の特性をわからないとダメなんですねー

    色は僕らがタガネを叩くときの最高の色(笑
    焼入れのときもこの色まで焼きますが
    ちょっと油断すると線香花火・・・・・(汗
    そのギリギリの温度ですね!
    職人! とういより芸術だと僕は思います。

    注文の最終完成がお盆くらいまで掛かりそうとのこと
    これから暑くなる時期なので 身体には気をつけて欲しいですね!

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  2. 本当は水焼きを観たいのですがなかなか日程があいません・・・涙
    今回は空冷ステン系なので温度が1000度越えなんで、親父さんの後ろで
    これぐらいで何度とかこれで何度とか教えてもらいながら見ていました。
    包丁が全部同じ色にするので難しそうです…焼入れだけは親父さんの仕事ですね。
    兄弟も何も言いません…
    比較的安い包丁は七月になると全部、震災復興の為に仙台に行ってしまいます。
    高価な包丁は大分売れてしまいました。柳の本焼きとか左利き包丁はまだあります。
    長さの長い包丁は本職以外買う人も少ないのでまだあります。
    朝から包丁選びに来るお客さんが多いので、俺の車は社長の車庫に…
    棚の隙間が増えてきてもう時期なんだな・・・そんな気持ちです。

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