2011年5月19日木曜日

ステンレス包丁は斬れない

昨日、夜中まで同級生のすし屋へ行って片刃の砥ぎ方を教わりに行って来ました。
夜中から明け方の4時まで教わったように研究です。ですが・・・本人の柳刃は変形していて
とてもかっこよくない・・・・7000万の借金で自宅兼店舗の返済とこの不景気で
とても10数万円の包丁はなかなか買えないよ~と!
元々和食の修行からすし屋を始めたので腕や料理はすばらしいものがあります。
少し前までは、凄く忙しい店だったので砥ぎもあわただしくやっていたのでしょうか
客の前であの包丁はな~?もうじき波紋が消えるぎりぎり・・・
そいつに、ステンレスとは内緒で使わせるために高橋刃物製作所で購入!
店に戻って、ひたすら磨く磨く・・・・
上の一尺の柳刃がそう!下が自分用の本焼き柳刃です。
見た目は判らない様に同じように磨きました。

本人もステンレスは良くない。ハガネでないと・・・というのです。
さて!どんな感想を言うのか楽しみです。

さて本題! 今日も高橋刃物の閉店時間近くにお邪魔して社長の一郎さんに
いろいろ刃物の事を教わりました。 切るだけならハガネがやはりすばらしく
切れるそうです。 ずばり刃物は炭素の量が影響するのだそうです
ステンレスのクロムが焼きいれをすると炭素がクロムの膜に包まれて
硬くならずに柔らかくなってしまうんだそうです。これが一番だそうです・・・・

これにはさすがにまいってしまいステンレス包丁を作るのを止めようと
兄弟から言われた原因だそうです。
なので、関東では鍛冶屋を辞める人、店でもそれなりのステンレス包丁を
売り続けた原因だったそうです。
関西は、和包丁をハガネで作り続け、関東は負け組み・・・・
それがハガネ包丁が一番、ステンレスは家庭用と常識化した訳なんですね・・・・・

では、なんで自分はステンレス包丁が良いと思い続けてるのか?
何年もステンレスはこんな物。洋包丁ではこんな物とあきらめて使っていた訳です。
たまたま、購入した包丁が高橋刃物製作所の光友ぺティーだったんです。
ちょうどこの頃に、ステンレスの弱点を克服して売り出した頃だったんですね・・・
磨くと光るし?よく斬れる?斬れが止まらない・・・砥ぐのが少し大変?
それまでのステンレスのぺティーは2年もたない・・・それが20数年現役で
今までのステンレスと違うのだけど、理由を考えたこともない!笑
十数年過ぎて光友の包丁が横浜の高橋刃物製作所で作ってる事が判り
今ではすべての包丁が高橋刃物の物なんです。
光友印の包丁がここまで素晴らしいのなら? 一番上の包丁に興味を
もってしまい。WEBでは出てない極上本焼きや極上物ばかり・・・

また話が飛びましたが・・・・
高橋刃物製作所でも白や青の和包丁を作ってます。これも素晴らしく斬れるのですが
ステンレスも負けてません!
前にも書きましたが、鍛造する!作業は手作業!鋼材を熱と鍛造で練って
焼入れをして・・・・ここまではステンもハガネも同じ!
ここからが、一郎さんや兄弟の発明! ずばり水の力なんだそうです。
摩訶不思議?なんですが・・・・何処までが企業秘密なのかわからないので
書けませんが・・・・・ステンレスなのに炭素量がいっぱいのハガネの包丁と
変わらない包丁が出来てしまったのです。 逆転の発想というか?
錆びないのにハガネの包丁のように斬れる!
これが光友印包丁の始まりで、未だに新しいものを作り続けています。

最近では、特上43という包丁が焼入れ後に風でゆっくり冷やすと良い物が出来ていたんですが
43の焼入れに水で急速冷却の品物が出来てしまいました。
作り方の工程などでは本焼きじゃぁない?って品物なんですが
これがまた面白いエピソードがありまして・・・・
包丁を鍛造する時に、コークスを使うのですが、横浜ではコークスを使う会社が
少なくなって、鋳物の生産が多い埼玉からそれまでの3倍もする品物を仕入れた。
コークスを使ったらこれがまた良くて、またまた発想からこれをこんな風に使ったら
こんなものが出きるだろう? って出来たのが特上43水・・・!
これもステンレス系  どんな品物か購入!
柳刃二本を磨きと砥ぎで、まだ43水は箱からも出してないので
近いうちに磨いて見ます。
ステンレス包丁は斬れないが高橋のステンレスは斬れる!
たぶん?ステンレスの弱点を克服した包丁はここが始まりでは
ないかなと考えてしまいます。
http://www.takahashihamono.jp/

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