2014年11月14日金曜日

今までの鍛冶屋がステンレス包丁をやらなかった理由

高橋の親父さんもハガネの包丁造りを修行してきていて・・・ そこからステンレス包丁に手を出して、破産寸前になったと聞いた事を書きましたが ハガネとステンレス・・・同じようで別物だったそうです・・・ ハガネは元が浸炭した炭素量を減らさないように温度管理して焼きいれ温度が脱炭素しないように 松炭など炭素の火で・・・なので最初からある炭素量をいかに減らさないで作るのが腕! ですが、高橋の包丁の特殊鋼などは焼きいれ温度が1150度ぐらい・・・火造り鍛造の温度も脱炭する温度の 上の浸炭する温度に近いのか? 焼入れ温度は浸炭する温度? なのでそれまでの常識では通用しない? 親父さんが包丁を作ってそれを検査しに出すと炭素量が増えていて、硬度も凄いことに・・・ それでは、それまでの砥石では硬くて研げないし・・・売り物にならない・・・ 普通?ステンレス系は炭素より他の成分が大きくてこれも切れない理由だったとか? これを自作の強力鍛造ハンマーで叩いて金属を練りこむようにすると同じ大きさの分子になるとか 綺麗に並ぶとか?そういう事だったそうだ・・・ この作業も昔からのコークスや炭でやるので、火は炭素の火だから脱炭を防ぐ仕事が浸炭する事に・・・ ハガネだと脱炭する温度で鍛造して鍛えるも、特殊鋼は焼入れ温度もはるか上なので炭素の火でやれば 逆に浸炭してしまう温度なのかも知れません・・・・最後の方で造っていた0.43の炭素量の包丁でも 0.43では普通は刃物鋼でもないし? 刃物として切れるはずが無い? それまでの光の金属も0.7とか0.9ぐらいまでのステン系・・・安いステンレス包丁と同じような 金属から造っていました。なのに切れるし錆びにくい・・・ハガネの包丁の常識では温度も叩く力も まるで違うのかも知れません・・・なので今までの仕事で造るとろくな刃物にならないので ステンレスの包丁は駄目と言う鍛冶屋が居て、その話で駄目という刃物屋が居たのかも? 高橋でも商品になるまでは、何百キロも出来た包丁を捨てていたのはハガネの包丁に近づけなかったから で、兄弟でハガネの包丁を造り続けながら親父さんはステンレス系をチャレンジしてこれたのかもね? 確かに初期の光は切れるけど、包丁を落としたら折れたり・・・して・・・ 知らない間は、このハガネの包丁は切れるけど錆びないよな?なんて感想だったり・・・ 同じ光でも年代で材質も変化してきたようで? 実際に使い続けてきたから俺はあの時代の金属で 作った光が好きだったな?とか? 極上も極上本焼きも同じ金属だけど焼入れの仕方と焼き戻しの 違いで、使うと雰囲気が違うような? 使う用途で使い分けしてるような? 伝統のハガネ包丁と進歩してきたステンレス系・・・・どっちも捨てがたい

2 件のコメント:

  1. クレソンさん、お疲れ様です
    時の流れとはいえ、もう少し早く高橋刃物と出会えていれば
    色々な素材をユーザーとして手に出来ていたと思うと、残念で成りません。

    意外なことですが、光に使われている鋼材が普及品だったことで
    素材を活かすも殺すも腕次第で、親父様の探究心と遊び心には恐れ入りました。

    久々の活字攻め、有難う御座いました。

    では、年末へ向けてお身体御自愛下さいませ。
    kazu

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    1. KAZUさんこんばんは!
      今では他の鍛冶屋さんもトライしているし、日本も捨てたもんじぁない・・・

      きっと何処かでまた一味違った包丁が出てくるでしょうね・・・

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