2015年11月13日金曜日

脇役が良ければ主役は?

津和野のみやけさんを絶賛する・・・津和野の料理としては味が薄い?

娘さんも地元では味が薄いと言われるって言っていました。

京料理の味付けが身に浸み込んでいるのと素材の味を引き上げる

調理の仕方なのでしょう?

最近のミシュランガイドで、江戸前寿司の修行一年で星を貰った店が

ある。 豪華な内装におもてなしの姿勢にネタも最上級、仕入れの仲買が

良ければネタも良くなる。 俺ら料理人は何十年も掛けて憶えるし、

新たな発見も有る。良い師匠が付きっ切りで教えれば一年で

普通の人には解からない位の事が出来るようになる証明でしょうか?

大間の本マグロってだけで普通は大喜びしますが、それも一本釣りで

トロ、中トロは誰が食べても美味い!ですがね・・・マグロも10日ばかり

寝かしてみるともっと美味くなります。高価なマグロを更に周りを捨てて

中身を使うから値段も更に上がります。赤身は大間だと鉄の味がする

ので寝かすと美味しくなりますが、基本鉄の味がするので酸味というか?

俺はインドマグロの方が食べやすく思えます。しかし冷凍物だから

冷凍の仕方や冷凍する船の何処に置いたかで物が変ってくるので

違うのだそうで俺などには判りません・・・

さて、日本中を旅して其処の有名な食べ物や其処の本当に美味い物

さまよう様に聞いて食べての繰り返しでやっと美味しい物に

会えたりします。

九州では、1kgを越える伊勢海老が有名な所が有りまして

自分が料理人と判ると本当の事を教えてくれます。

でかい方が豪華で皆さん喜んでくれる・・・ですが歳をとりすぎた

伊勢えびは、身が濁り美味しくないそうです。なので400gぐらいを

二つ食べても800gなら同じ値段だからそちらの方が良いと教えて

頂きました。確かに一度冷凍した身のように少し白くて透明感が

落ちていました。他にも沢山同じように教えて貰う事が多いです。

みやけを特別な思いにしてくれたのも、津和野で育って津和野の

山や畑、川・・・今の時期はあそこの山のあれが美味いと知っていて

何処にもあるような素材で何処の旅館でも出るような品物ですが

その時期に最適な素材を仕入れて長年の技で料理する。

俺ら都会では何でも手に入るけど、同じものが出来ない・・・

本や情報でいろいろと耳には入るけど、食べてみないことには

判らない・・・贅沢な料理はそれは美味いのは当たり前!

津和野のような山奥で材料は地元の物だけで低料金で・・・

それで食べる人が幸せな気持ちに成れる料理って素晴らしい!

なので若い料理人は一度食べに行けと書いています。

何も豪華でない料理でも満足させる料理は本当に難しい!

帝国ホテルのマッシュポテトのロシア皇帝風という料理が

有ります。マッシュポテトにスモークサーモンとキャビアが少し乗っていて

普通の人は、目でおいしそうと思います。ですがマッシュポテトが

本当に美味い!スモークサーモンもキャビアも一流品でしたが

ポテトを感動したのは、バターとミルクで練り上げて硬くなると

ミルクを足しての繰り返しで、ポテトがクリームのように美味しくなります。

アメリカ帰りの目黒君もアメリカのマッシュポテトしか知らないから

そんなもの美味しくなるのか?と思ったそうですが

キャビアは無かったけど30分以上掛けて作ったマッシュポテトを

感動していた。原価は安いですよ・・・マッシュポテトだけならね!

鍋に残ったポテトまで舐めていましたよ・・・笑

これも知らなければ出来ない味・・・

キャビアが無くても感動する味!というかまずいマッシュポテトしか

知らないのが普通で、こんなものがこんなに美味しくなるってのが

俺ら料理人が感動することでして、ただのイモだろう?

ですが名脇役が本当は難しいのですよ。

兎角、主役の料理は力を入れて脇役は工場で生産れた買ったもの・・・

殆どの旅館や料理屋も手を抜く所です。俺ら料理人はそれを知ってるので

一見豪華で高価だと知っていても何も感じません・・・

八寸やオードブルなど合鴨のスモークなど出ただけで帰りたくなります。

安いチェーン店の居酒屋なら歓迎します。ですが・・・

あんな山奥で食材もその地域でとなると?

それがお勧めする理由です。若くて給料も少ない料理人に自腹で

食べれる!これが大事なんです。

2 件のコメント:

  1. こんにちは29831です。
    崎戸の伊勢海老。 400x2と800が同じと言うお話。 それは崎戸の浜田さんでは? 私もそのように言われ中型x2になってしまいました。 ちなみに1kgオーバーは食べられてないのでは? 味が悪いなんてことはないですよ。確かに大きい物は身の濁りはあると思いますが・・・ 経験せずに人の言うとおり鵜呑みにするのはクレソンさんらしくないと思います。  物事は多面的です。 「今は500g位のしかいないから、大きいのが食べたければ市場で買ってきますよ」と言ってくれた店もありました。 「1kgオーバーのものはなかなか出ないんで・・・」と言うお話でした。 単価的にも仕入れて生簀に泳がしておくにはリスクが有る。 なのでいま生簀にいる中型をまずは提供したい。と言う思惑が働くとも考えられます・・・ 私は旅の者を喜ばせようとする精神は遥かに後者を支持します。  いずれにせよ、400g級なら千葉や伊豆でもゴロゴロしています。逆に1kg超級を食べたいと言っても「見つかるかわからない」と言われるのが落ちです。 崎戸くんだりまで行って伊勢海老を食べる理由付けは1kg超級を望めばすぐに手に入る環境にある日本でも珍しい場所ということです。 九州まで行ってその辺に転がっているようなものを食べる意味は? 旅のハレ感を演出する意味でも大きな伊勢海老をオススメした手前これだけは言わせていただきたくコメントさせてもらいました。 

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    1. コメントありがとうございます。2013年10月2日位のブログで店に有る一番大きい伊勢えびを注文して食べていますよ。笑
      沖縄とか南に行けば大きな物が有りますが、あれは伊勢海老では無いので
      崎戸の伊勢海老が日本では最大級でしょう!1Kgオーバーはみんなホテルの
      方へ取引されているみたいですよ。先端のホテルは、側溝のステンレス製で
      一儲けした人が、地元の観光の復興で崎戸海老を有名にしたらしいので
      そちらが優先らしいですよ。
      わざわざ行ったから、2匹を勧められたけど800gにしました。
      伊勢海老は400gを越えると頭が大きくなるだけで尻尾の身は大きくならない
      のでという理由も有るのですよ。
      その時のブログで写真が有ります、身はピンクぽく透き通る身では
      有りませんでしたが味は悪くない。2匹の方が身の量的に多くなるので
      浜田さんもお勧めしたのだと思います。崎戸の海は急激に深くなるので
      普通の刺し網ではとどかない深さで、それまではあまり獲らなかった
      という理由も有るそうです。
      なのでこれから先は、大きな海老は少なくなると思いますから
      早めに行くと良いでしょう。1kgの伊勢海老は10年掛かるそうです。
      2kgの伊勢海老は20年・・・数に限りがあると思います。

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