2011年6月12日日曜日

包丁は鍛冶屋しだい

洋包丁の殆どが鉄板打ち抜きで包丁の形をしたものに刃を付けています。
和包丁も最近では同じです。軟鉄とハガネが最初から張り付いている鋼材で
作ってるものも多いのだそうです。
築地の刃物屋の大手は、高価な物だけは堺に注文!
まともな鍛造物は殆ど無いのだそうですよ・・・
包丁を鏡面にするには機械でも大変だし・・・手作業では一本でも一日掛かってしまいます。
たとえば10万円の包丁で販売店の利益3割3万として、砥ぎ屋さんが2割、柄を作る所で
1割だとしても残り40%・・・4万円で人件費に光熱費などいろいろ・・・
まして鏡面に2割掛かるともう大変!3割から4割が包丁屋の利益だから
鍛冶屋は楽に作れて、失敗の無い安い鋼材で作るしかないのかも・・・


高橋刃物の包丁は、普通より高い金額です。
ですが、昔から変わらず叩いて包丁の形にしていきます。
そのほうが良いから! 叩いてノギスで長さを測りながら一本ずつ手作り。

社長とこの間もいろいろお話を聞いて夜遅くまで金属のことまで・・・
実際自分の包丁はステンレスか特殊鋼ばかりです。
昔は安いハガネの包丁も持っていましたが・・・
やっぱり良いハガネで刃物を作ると一番だそうです。
でも、錆びる・・・・錆びなくて鋼なみの斬れる包丁を作ることを数十年やってきた
人です。 そんな話から一本作ってくれました。
すげ~ハガネが少しだけあるんだ! 錆びるけどうちにも最後の2枚だけなんだが
作ってあげるよ!・・・和包丁は特殊鋼で作った柳刃一本あるけど・・・お願いします!

それから数週間、まずは軟鉄を叩いて伸ばして折り返し・・・包丁の元を・・・・
これだけで何日も・・・・「後はハガネを貼り付けて」・・・数日後・・・・
だめだ!失敗!貼り付けて焼きを入れたらバリバリに割れた・・・・・・・・
失敗を恐れて焼きが甘くだとだめ・・・行き過ぎるギリギリが難しい・・・・
それからまた数週間後・・・・できたよ~! でも焼きがムラがある・・・
完璧じゃ~無いんだよ。後ろの方が少し甘いかも?
包丁がこの状態から少しずつ閉店後、砥いでいます。
砥石と耐水ペーパーを駆使して数時間、

上の柳刃と比べるとえらい違いです・・・・あと何日掛かることやら・・・やっとハガネが
見えてきました。ハガネはキレイに光ってます。

途中、真っ赤に熱したはさみのようなもので挟んだ跡が出てきました。
これから軟鉄を折り返した跡が出てくるのだと思います・・・・


早くこのくらいまでにしたい・・・・・
出来上がったら、さっそく友達のすし屋に斬り比べしたいんです。
特殊鋼の本焼きとステンレスのナヤギ刃とハガネの柳刃を!

0 件のコメント:

コメントを投稿